片付けがブームですが、子育て世代の親世代、年齢を重ねた方にとっては、「そうはいっても、なかなか片付けられない」ことが多いのではないでしょうか。

 

 

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親世代には、できないからといって自分を責めたり、気を揉んだりする必要はありません、とぜひ伝えてあげたいものです。そもそも片付けは、体力がある若い方が得意なものなのです。

 

生きてきた年数が長いのですから、若い方よりモノの量は格段に多く、それぞれの思い出もあることでしょう。また、私たち日本人は、もともとモノが少ないなかを、あるモノを最大限利用し工夫して暮らしてきました。増えることがなかったので、「片付け」ませんでした。親世代から整理術や収納法を学べなかったということですから、苦手で当然なのです。戦後、モノを所有することができるようになって、片付ける必要が出てきたのでしょう。

 

そして、モノがなかった時代を生きて来た記憶から、モノを捨てることが「もったいない」と躊躇してしまうのです。だからこそ、きちんと納得しない限り、簡単に捨てることなどできないのです。

 

ですが、モノがあることで、身の回りの安全を脅かされるとしたら? それでもモノを処分できないでしょうか。「老前整理」でお伝えしたいことはここなのです。

 

年をとるほどに、体力が衰えていきます。気力がなくなっていきます。判断力が乏しくなっていきます。片付けたくても、モノの移動が容易にできない。だんだん億劫になる。要る・要らないを判断できない――。けれど、減らさなければ日常生活でどんどんモノは増えていきます。

 

著者の坂岡洋子先生は、介護の現場で働いて、モノがいかに高齢者の生活に危険かを実感されました。床に古雑誌があるからつまずいて骨折してしまった。廊下に手すりがあるけれど、その前にモノを置いているのでモノをつたって歩いて腰を痛めた。このように、身の回りに危険が潜んでいるなかでは、快適な生活を送ることは難しいでしょう。動けるうちに片付けへの意識を高めることが大切なのです。

 

本書では、なぜ片付けなければならないのか、そしてそのための効果的な片付け法を、具体的に、丁寧に紹介しています。これからの人生を健やかに楽しむために、片付けに手をつけたくなる納得の一冊です。

 

子育て世代のみなさんにも、そしてその親世代の皆さんにもおすすめしたい一冊です。

 

 

PHPエディターズ・グループ

 


 

坂岡洋子 さかおか ようこ

株式会社くらしかる代表。老前整理コンサルタント。インテリアコーディネーターとして長年、住まいや生活家電のデザインなどに携わり、バリアフリーの必要性を感じてケアマネージャー資格を取得する。在宅介護の現場でモノが多すぎることを実感し、中高年の「暮らしを軽くする」サポートを目的として、2007年、株式会社くらしかる設立。人生の節目を迎えたときに、頭とモノを整理する「老前整理(R)」を提唱し、講座、ワークショップなどでその普及につとめる。著書に、『老前整理』(徳間書店)ほか。

※「老前整理(R)」は登録商標です。

 


 

 

 

心も暮らしも変わる片付け術
『「老前整理」をはじめてみれば』

 

老前整理は、老いる前に行なう、自分の今とこれからをよりよく過ごすための人生の棚おろし。「何を捨てるか」ではなく「何を捨てないか」から始める後悔しない片付け術を紹介しています。