注意やダメ出しは逆効果!?叱らなくていい子育て

須賀義一
2023.10.13 16:26 2023.02.20 19:01

注意やダメ出しは逆効果!?叱らなくていい子育ての画像1

注意やダメ出しは逆効果!?「保育士おとーちゃん」こと須賀義一さんが提案する「叱らなくていい子育て」をご紹介します。

※本稿は、須賀義一著『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)の中から、一部を抜粋・編集したものです。


須賀義一(すが・よしかず/子育てアドバイザー)
1974年生まれ。東京都江戸川区の下町に生まれ、現在は墨田区に在住。大学で哲学を専攻するも人間に関わる仕事を目指して、卒業後国家試験にて保育士資格を取得。その後、都内の公立保育園にて10年間勤務。子どもの誕生を機に退職し、子育てアドバイザーとして、子育てについての研究を重ね、執筆、講演活動、ワークショップを展開。従来の子育てを見直し、個々の子どもを尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。家族は妻と一男一女がいる。

子育て=叱ることになっていませんか?

注意やダメ出しは逆効果!?叱らなくていい子育ての画像2

子育てしている人たちを見ていると、多くの人が子どもに「正しい姿」を教えようと頑張っています。

具体的には注意したり、叱ったり、はたまた小言を言ったり、念押しをしたりという関わりで、子どもを大人の意図する姿にしようとしています。それでその通りに育つ子もいますが、そうならないので悩んでいる、大変な思いをしているという人は少なくありません。

子育てする人は、子どもが望ましくない行動をしたときに注意したり、叱る、ダメ出しといった、「NO」という種類の関わりをすることが子育ての方法なのだと無意識に考え、そのようにしてしまっています。

しかし、はっきり言ってしまうと、このような子どもへの関わり方は、かえって子どもが大人の言葉に耳を貸さなくなるといった、意図とは逆の結果をもたらす可能性を多分に含んでいます。

保育園で子どもに向き合って一生懸命に育てようとしているお母さんたちを見ていると、1~2歳の頃は注意やダメ出しという関わり方でもなんとかなってしまいますが、だんだんと子どもの自我が強くなってくると、それでは子どもは簡単には言うことを間かなくなってきます。

すると、それらの注意などの回数が多くなったり、さらには叱るというようなことが増えてきます。子どもが素直な性格で大人の許容する範囲の行動に収まってくれればいいですが、そうならない場合は、子どもの従わない姿、大人の押さえようとする関わりがエスカレートしていってしまいます。

そのお母さんたちはその後どうなるかというと、大きく分けて三つのタイプがあります。

・叱ってばかりだったり、ガミガミと怒りんぼうになってしまうタイプ

・疲れてしまったり、うんざりして積極的に関わらなくなってしまうタイプ

・子どもが自分の手におえない状態になることをあらかじめ回避しようと、いいなりや甘やかしになってしまうタイプ

どのタイプであってもやはり子育ては大変になってしまいます。

子育てをする人が当たり前と思ってしていることの中に、実は子育てを難しくしてしまう原因が入ってしまっているのです。

このことに気がつけば、ことさら子どもの姿を難しくせずに、関わりやすい状態のまま子育てをする道筋が見えてきます。

須賀義一

須賀義一

1974年生まれ。東京都江戸川区の下町に生まれ、現在は墨田区に在住。大学で哲学を専攻するも人間に関わる仕事を目指して、卒業後国家試験にて保育士資格を取得。その後、都内の公立保育園にて10年間勤務。子どもの誕生を機に退職し、子育てアドバイザーとして、子育てについての研究を重ね、執筆、講演活動、ワークショップを展開。従来の子育てを見直し、個々の子どもを尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。家族は妻と一男一女がいる。