言うことを聞かない男の子は、人に任せてしまいましょう!

若松亜紀
2023.10.13 16:08 2023.02.15 16:04

遠くを見る子ども

10歳を過ぎた男の子は、お母さんの言うことをなかなか素直に聞いてくれません。ひとりで頑張りすぎず、「任せ」ワザを上手に使いましょう!

※本稿は若松亜紀著『10歳からの男の子は「聞く」より「待つ」でうまくいく』(PHP研究所)より、抜粋・編集したものです。

若松亜紀(陽だまりサロンオーナー)
秋田大学教育学部卒業後、私立の幼稚園に7年間勤務。閉園により退職。その後、出産、子育てを経て2005年、自宅に子育てサロンをオープン。著書に『子どもが輝く幸せな子育て』(ほんの木)、『もう怒らない!これだけで子どもが変わる魔法の“ひと言”」(学陽書房)、共著に『「ほめ方」「叱り方」「しつけ方」に悩んだら読む本』(PHP研究所)などがある。

頼るのも才能!「任せ」ワザ

男の子に注意する親

「も~! 脱いだ服は片づけてよ!」
「いい加減、さっさと動いたらどうなの!」
「便座のふたは閉めてよね、金運が逃げるっしょおぉぉ!」

朝から晩まで、毛穴からシューシュー蒸気が出るほど叫ぶ日々。カルシウム、足りてますか?

いったいオーバー10ボーイズは、なぜにこれほど母ちゃんを奮い立たせてくれるのでしょう。大口開かせてくれるんでしょう。顔動かして、シワ防げってことでしょうか。

そんなあなたにオススメなのが、ここでご紹介する「任せ」ワザです。あなた一人が、がんばらなくていいんです。信用できる誰かさんに、子どもをポンと「任せて待つ」。それだけです。

そしてその人に「脱いだら洗濯機」「ふた閉めろ」など、いつも言ってるあれこれを伝えてもらいましょう。私が小学5年生の頃、こんなことがありました。場面は運動会です。先生にそっと耳打ちされました。

「あの子たちに『そこに座っちゃいけないよ』って言ってきて」

見ると4年生の男の子が数人、とび箱に座っています。なんで先生、自分で言わないのかな~と思いつつ、その子たちに近づいて言いました。

「そこに座っちゃいけないよ」(←棒読み)

するとハッとした顔をして、「うん」とあっさり降りたのです。その後先生はにやりとして言いました。

「な?年上の言うことは聞くんだよ」

いやいや、先生のほうが目いっぱい年上でしょう!と突っ込む代わりに、自分なりに考えました。

ちょい年上の人から言われると効く。普段あまり接点のない人のほうが効く。

きれいなお姉さんの言うことは効く。そう結論づけました(←ホントかい!)。

「他人には 優しく会話 する息子」という川柳があります。母ちゃんには見せない顔を、人には見せるようです。だからたまには、誰かに言ってもらいましょ。あなたが手っ取り早く「任せ」られるのは、どなたですか?「だんなです」という声が聞こえたので、まずはだんなさんから。

パパの余裕があるときに、このようにお願いしてください。

「今日は半日、子どもを頼むわ。うり坊も大きくなって、私じゃ手に負えなくなってきたのよ。これからは、男親のあなたに話を聞いてもらえると助かるわ」

引き受けてもらえるかどうかは、そのときのスタンスにかかっています。 あくまでも「あなたが頼りなの」という心持ちで話してください、決して「あんたも親だろっ」といった高圧的な態度ではなく。わが家では10歳を過ぎてから、父&息子ペアの行動が急速に増えました。

若松亜紀

秋田大学教育学部卒業後、私立の幼稚園に7年間勤務。閉園により退職。その後、出産、子育てを経て2005年、自宅に子育てサロンをオープン。著書に『子どもが輝く幸せな子育て』(ほんの木)、『もう怒らない!これだけで子どもが変わる魔法の"ひと言"」(学陽書房)、共著に『「ほめ方」「叱り方」「しつけ方」に悩んだら読む本』(PHP研究所)などがある。