リビングでの学習は子どもにとってメリットがたくさん!その良さを見直してみましょう。

 

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安心感の中で勉強できるリビング学習

 

子どもにとっての家庭の役割とは何でしょうか。それは安心して生活できる場所を保証することです。この世で親が一番頼れる存在であること、家に帰れば安心できると感じる中で子どもは心身ともに成長していきます。それはあたりまえのようでいて、難しいことでもあることを、私たちは数々の事件から知ることができます。

 

いじめによる事件が起き、当事者の成育歴を調べると、両親が離婚していて誰にも相談できなかったという状況が明らかになったりします。家はあるけれど居場所がないなど、安心して暮らせる条件が満たされていない子どもは多いのです。

 

家庭学習でも、安心して勉強できると習熟が早くなるでしょう。そのために私はリビングで勉強することをお勧めしています。

 

子どものために独立した部屋を与えている家庭は多いと思いますが、小学校低学年の子どもにとって子ども部屋は遠い存在です。帰宅してそのままダイニングの食卓で勉強すると、キッチンにいる母親の目が届き、安心して勉強することができます。わからない問題をその場で教えてもらえるメリットもあります。

 

これを一歩進めたのがリビング学習で、リビングに机や文房具を置き、勉強する態勢を家族の生活空間に入り込ませるスタイルです。これも親の視野の中に子どもを置くことで、子どもが精神的に安定して勉強できる空間を作れます。

 

母親がキッチンで夕飯を作る間に家庭学習をすることができ、たとえば音読の宿題も夕飯作りをしながら聞くことができます。帰宅して宿題してご飯、そして家庭学習から翌日の教科書合わせまでの動線も近い場所でできるので、子どもの動線にムダがなく、スムーズに行動できます。

 

低学年ではリビング学習をする家庭が多いようですが、いつまでリビング学習をすればいいかと、よく質問されます。その質問に対しては、「子どもによって違う」と答えています。高学年になって静かな環境で問題を集中して解きたい子は子ども部屋に移るでしょうし、多少の雑音があっても平気な子、むしろ雑音があったほうが効率がいいという子もいるので、個々に任せるのがいいでしょう。

 

メリットがたくさんあるリビング学習ですが、問題点もあります。

 

よく聞くのは、「きょうだいが邪魔をしてしまって集中できない」ということです。

 

小学生のお兄ちゃんがいて、学齢前の弟や妹がそばで遊んでいる場合、ついつい一緒になって遊んでしまいがちです。その時は、下のきょうだいに、

 

「今、お兄ちゃんは勉強中だから6時になるまで静かにしていてね」

 

と言い含めてお兄ちゃんの勉強を優先させます。下のきょうだいにも勉強の大切さがわかるので、自分が勉強する年齢になった時に、進んで机に向かうことができます。

 

もう一つはお父さんの問題です。子どもが勉強しているそばでテレビを観みたり、ゲームをしたりして、子どもが勉強に集中できない場合です。

 

疲れて帰宅してビールを飲みながらテレビを観る楽しさはわかりますが、ここはせっかく子どもが勉強しているのですから、録画するなどして子どもの勉強を優先させたいものです。でもそうなるのは、家に父親のスペースがないのが原因です。

 

リビングにテーブルと学習机があり、壁には作品や年表が貼ってあったりしたら、帰宅した父親はなごめません。

 

基本的にリビングはお母さんのテリトリーですから、できるならどこかに父親のスペースを作るといいのです。もし、それができなければどうするか。

 

しかたありません。子どもが起きているあいだは子どもを優先するしかなく、子どもが寝てからを大人の時間とするしかありません。

 

私もそうでしたが、子育ての最後はガマンです。

 

osusume.gif 子どもの勉強は、逆に「教えてもらう」のが効果的!

パッとしなかった子がある日突然、目覚める理由

父親との会話が子どもの学力を伸ばす

 


 

【本書のご紹介】

 

子どもの頭が45分でよくなるお父さんの行動

 

『子どもの頭が45分でよくなるお父さんの行動』

子どもの学力・地頭力は父親しだいで伸びる! 百マス計算でおなじみの著者が、2女1男を育てた経験から伝授する父親がするべきこと。

 

【著者紹介】

隂山英男(かげやま・ひでお)

立命館小学校校長顧問。一般財団法人基礎力財団理事長。1958年、兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒業。1981年、兵庫県尼崎市立園和小学校で教師生活を始め、同城崎郡日高 町立三方小学校を経て朝来町立山口小学校勤務時に「読み書き計算の反復学習」と「早寝早起き朝ご飯習慣」で学力向上をめざす「隂山メソッド」を確立し注目される。2003年、広島県尾道市立土堂小学校校長に就任。2006年、立命館小学校副校長就任。大阪府教育委員・委員長(2008~15年)。文部科学省中央教育審議会特別委員(2005~14年)のほか、全国各地で学力向上アドバイザーを務める。著書に『本当の学力をつける本』(文藝春秋)、『徹底反復「百ます計算」』『学力は家庭で伸びる』『「だから、子ども時代に一番学習しなければいけないのは、幸福です」』(以上、小学館)などがある。