ワーキングママの重黒木さん。 職場であった イヤなできごとに 落ち込んでいたとき、 お子さんの言葉に 思わず涙します----。

 

 

わが家は、夫と私、4歳になる息子のそうたの3人家族です。夫婦共働きなので、日中は息子を自宅近くの保育園に預けています。

 

子どもは1人なのですが、まだまだ新米の私は、仕事と家庭の両立のため、毎日バタバタと過ごしています。私が仕事で疲れ切っているときでも、息子は自宅に帰るとうれしいのか、やんちゃをして、それを私が注意する......そんなことを繰り返す毎日です。

 

ある日、職場で上司から仕事上の注意を受け、がっくりと落ち込んでしまいました。仕事が終わり、いつものように保育園のお迎えへと急ぎながら、私は心の中で「今日は、家事も育児もつらいな」と思っていました。

 

保育園に着くと、息子がいつものように私に向かって勢いよく走ってきました。そして、私の目の前に立ち止まり、「ママ、ありがとう!ごちそうさま」と一礼したのです。

 

仕事で疲れ切っていた私は、頭がボーッとしていて、なぜ息子がそんなことを言うのかすぐに理解できませんでした。しばらく考えて、そういえば、今日は月に1回、保育園で決められている「お弁当の日」だったと気づきました。

 

いつもより早く起きて、戦隊ものが好きな息子のために、悪戦苦闘しながらお弁当を作ったその日の朝のことをようやく思い出しました。いつもなら、「お弁当の日」は私のほうが息子の感想を聞くのを楽しみにしていて、「どうだった? お弁当」と息子の顔を見るとすぐに聞くのですが、その日は聞くことを忘れていました。

 

息子がそんな私に思いがけず言ってくれた言葉に、涙がこぼれてきました。私の作ったお弁当を楽しみにしてくれて、みんなと楽しくお昼ごはんを食べた姿が想像できました。それにくらべ、「お弁当の日」だったことすら忘れてしまっていた自分が情けなくなりました。

 

息子は、私に会ったら真っ先に伝えようと思ってくれていたのでしょう。なのに、私は自分のことで心がいっぱいになってしまっていました。そんな自分が腹立たしく、息子に申し訳ない気持ちでした。

 

同時に、もしかしたら、息子はいつもと違う私を感じ取ってくれていたのかなとも感じました。

 

私には、一番近くに心強い味方がいるじゃないか、小さな幸せがあるじゃないか、と改めて思い、日中にあったイヤなできごとは、すっかり吹き飛んでしまいました。当然ながら息子は、私に今日なにがあったか知らないはずなのに、親子の絆って目に見えないけれど繋がっていると確信しました。

 

家に帰る車の中で、「そうた、お弁当食べてくれてありがとうね。ママ、今度もおいしいお弁当作るね」と涙をこらえて息子に話しかけると、「ぼくは怒ってないよ。ママ、泣かんでよ」「今日はごちそうさま」と言ってくれた息子の言葉に、また涙。

 

私のほうが「うれしい言葉をありがとう。ママのほうこそ、ごちそうさま」と息子への感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

子どもからもらったパワーで明日もがんばれる! そう思いました。いろんなことがあって大変な1日でしたが、息子から最高の言葉をもらった忘れられない日となりました。

 

重黒木直美(宮崎県延岡市・37歳・事務職)

 

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のびのび子育て

「PHPのびのび子育て」は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌。 2016年6月号の特集は<3・7・10歳が決め手!「考える力」をつぶす親、伸ばす親>です。

 

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