佐々木さんの娘さんは、産まれてすぐに難治性てんかんとわかりました。2人の息子さんたちが妹をかわいがる無邪気な姿に気づかされたこととは――。

 

 

私には、4歳と2歳の息子、1歳になる娘がいます。妹ができることを楽しみにしていた息子たちは、妹を「りんちゃん」と呼び、すごくかわいがってくれています。

 

娘は生まれてすぐからミルクの飲みが悪く、生後1カ月のときに難治性てんかんだと診断され、治療のために入院することになりました。

 

毎日、数えきれないほど起こる痙攣の発作や、チューブや点滴に繋がれている娘の姿に、私は出産直後ということもあり、精神的にも肉体的にもついていけませんでした。目の前のできごとが夢か現実かもわからず、入院中は泣いてばかりいました。

 

2カ月後、娘の退院が決まりました。鼻のチューブからの栄養剤の注入や、吸引、酸素吸入などを在宅でやることになり、ちゃんと管理できるか、息子たちがいたずらしないかと、いろいろと心配がありました。

 

ですが、そんな心配をよそに、息子たちは妹が帰ってきたのがうれしくて、「りんちゃん、かわいい〜!」と抱きついたり、狭いベビーベッドに3人で寝たりと、チューブや酸素には目もくれず、妹をかわいがってくれました。

 

退院してからは、娘の在宅介護と、暴れたい盛りの息子たちの子育てに毎日大忙しで、落ち込む暇も、泣く暇もありません。週末に外出するときは、娘を母や義母に預けていくことが多いのですが、長男は「りんちゃんも行く?」「一緒に連れていきたい」と外出するたびに言っています。娘の体調が良い日に一緒に出かけると、「バンザーイ!」と大げさに喜んでくれます。

 

初めて息子たちの保育園に娘を連れていったとき、息子たちは友だちに娘を紹介したり、お鼻のチューブのことを説明したり、遠くにいる先生を呼んできて自慢したりと、すごく喜んでくれました。

 

どこまでも無邪気に妹のことをかわいがる息子たちの姿を見て、外出しても人の目ばかりを気にしていた自分をとても反省しました。そして、この子たちの母親になれて幸せだなと素直に思うことができました。

 

娘は病気の影響で、泣いたり笑ったりすることがあまりありません。だからこそ、少しでも泣いたり笑ったりするとわが家は大騒ぎで、私がそばにいないときは、「りんちゃんが泣いているよ〜。早く写真撮って」と息子たちが報告しに来てくれます。

 

先日、1歳になった娘は、まだ首もすわらないし、発達や発育はずいぶん遅れています。それでも、娘のペースで少しずつ成長しています。

 

この1年、娘には当たり前のことなんてないんだと気づかせてもらいました。本当にたくさんの人に助けられ、応援してもらいました。

 

息子たちはよく「りんちゃんがご飯食べられるようになったら」「りんちゃんが歩けるようになったら」と希望のあることを言ってくれます。先のことを考えると、不安や心配はたくさんあります。でも、今は息子や娘の成長を楽しみに、家族でできることを楽しもうと思います。

 

佐々木そよ香(沖縄県那覇市・30歳・主婦)

 

 


 

のびのび子育て

「PHPのびのび子育て」は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌。 2016年8月号の特集は<「早く!」をやめると、自分でやる力が育つ>です。

 

年間購読のご案内

「子どもをつれて買い物に行くのは大変…」「ついつい、買い忘れてしまう」 そんなあなたにおすすめしたいのが、年間購読。毎月ご自宅へお届けします。送料無料。 年間購読のお手続きはこちらからどうぞ