可愛かった息子が、ある日反抗し壁に穴をあけようものなら、お母さんがびっくりしてしまうのも無理はありません。こんな時の対処法をご紹介します。

 

 

ちょっと注意したら部屋の壁に穴をあけた

 

壁の穴は男の子の反抗期の象徴です。

 

注意されたことで、激しい怒りを感じたのでしょう。けれども、その怒りをぶつける相手は親ではないということは、子ども自身わかっているのです。

 

だから、だれも傷つけないように壁に当たるのです。そして、こぶしに伝わる痛みを感じながら、怒りをコントロールできない自分を憂います。

 

「オレは何に対して怒っているのだろう?」

 

きっと、注意されたこと自体はささいなことだったりするでしょう。でも、ささいなことがしゃくに障るということは、大人でもあるでしょう。思春期は常にそんな心理状態なのです。

 

カミソリのようにとがっているという表現がありますが、まさにそんな状態です。

 

ささいなことの積み重ねでいらつきがマックスになっていて、そこに最後の一滴がぽたりと落ちたみたいな状況です。ささいなことへの注意だけに対しての怒りではなく、それまでに積み重なっていたイライラのすべてが爆発したのです。

 

壁を殴るということは、だれも傷つけたくないと思っている証拠です。イライラや怒りを抱えていても、直感的に他人を傷つけない行動を選択できているということは、息子さんがちゃんと成長している証拠です。

 

壁に穴をあけたことを責めるでもなく、注意したことを後悔するでもなく、「かわいそうに。こぶし、痛かっただろうな」と思ってあげてください。

 

壁の穴を修繕する必要はありません。数年後、その穴を見るたびに、思春期に戸惑った自分を思い出すことでしょう。自分の成長の足跡として、眺めることができるようになります。

 

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【本書のご紹介】

 

 

 

「思春期男子」の見守り方

 

『「思春期男子」の見守り方』

思春期の息子を持つお母さん必読! 心と体の変化、困った時の対処法、考える力・体力の伸ばし方など、人には聞きづらい悩みに答えます。

 

 

【著者紹介】

おおたとしまさ

育児・教育ジャーナリスト。心理カウンセラー。男子校での男の子の育ち方、教育熱心なあまりに子供をつぶしてしまう親の特徴など、独自の視点で徹底した取材を行ない、書籍やコラムを執筆。講演やメディア出演も多数。心理カウンセラーや中高教員の資格をもち、小学校教員の経験もある。 著書は『ルポ塾歴社会』(幻冬舎)、『男子御三家』(中央公論新社)、『追いつめる親』(毎日新聞出版)、『男子校という選択』(日本経済新聞出版社)など育児・教育分野を中心に40 冊以上。