実家の農業を引き継いだ夫と、北海道に引っ越して、2人の娘たちを育てる上田さん。慣れない農業に、家事と子育て。ある朝、起きると、頭痛と目まいが......。

 

 

 

 

私の4歳と1歳の娘たちは、とてもやんちゃで、毎日家中を走り回って遊んでいます。お遊戯、ダンス、歌、戦いごっこと、仲良く遊んでいるときもあれば、ケンカをすることもしばしばです。

 

ところで、わが家は2年半ほど前、夫が実家の農業を継ぐために、埼玉県から北海道に引っ越してきました。農業体験ゼロの私は、右も左もわからない状態で手伝うことになったのです

 

農家の仕事は、土、日、祝日も関係なく、夫はいつも畑の中。子どもたちは保育園に通っているのですが、家の近くに公園などはなく、保育園が休みの日は、何をして過ごそうかと悩みます。

 

慣れない仕事に、慣れない環境、やんちゃ盛りの2人の子育て。夫は、家事、子育てともに協力的ですが、家にいる時間が少ないので、あまり面倒をみてもらうことができません。

 

そんな日が続いたある朝、起きようとすると激しい頭痛と目まいに襲われました。目は覚めているのですが、だるさと頭痛で、なかなか布団から出ることができませんでした。

 

10分、20分と時間がたち、子どもたちが起きてきました。朝ごはんを食べさせて、保育園に連れて行かないといけないので、なんとか力を振り絞り、支度をしました。メニューはパンと、牛乳と、インスタントのスープ。子どもたちに申しわけないと思いつつも、その時の私にできた、精一杯の朝食でした。

 

ところが、子どもたちは大喜び。いつもはお米のごはんが出る朝食が多いわが家です。たまたま前日に購入していたパンに、子どもたちは喜んだのです。「やったー。パンだ! ママ、今日の朝ごはん、好き!」と長女が言います。いつもは食べるのが遅いのに、この日は、はやい、はやい。

 

子どもたちが食べている間、「ごめんね。ママ、頭が痛いから、少し横にならせてね」と、ソファーに横たわり、2人の食事風景を眺めていました。

 

うれしそうに、パンをかじる長女。おいしそうに、スープを飲む次女。次女はまだ1歳なのに、上手に食べるなあ、と感心していると、長女が次女に「○○ちゃん、ママは今日、頭が痛いから、静かにしているんだよ。いい?」と言いました。「あい」と返事をする次女。そして私には、「ママは頭が痛いから寝てていいよ。私が全部やるから」と一言。その言葉通り、食後は次女の口のまわりについたスープを拭いとり、お皿を片づけ、自分と次女の服を選んで、次女の着替えを手伝い、そして、自分のお弁当まで、用意したのです。

 

そして、ひと通りの用意が終わると、次女に「ちょっと、待っててね」と言い、長女は急いで2階への階段を上りはじめました。

 

どうしたのかしら、と心配していると、2階の部屋からおもちゃのピアノの音が、ジャジャジャジャーンと聞こえてきたのです。お気に入りのリズム音を大音響で鳴らし、ピアノを弾く長女。

 

遊びたかったんだ! 保育園に行く前に、遊びたかったんだ!

 

私の痛む頭に、リズム音がガンガン響いてきましたが、おかしくて、おかしくて。今朝、あらためて知った長女の成長がうれしいのと、私の代わりをするより、ほんとうはまだまだ遊びたい子どもの部分がかわいくて、いとおしくて、心がホッコリしたのです。たまには、軽く体調を崩すのも、悪くないな、なんて、ちょっと不謹慎なことを思った朝でした。

 

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のびのび子育て

「PHPのびのび子育て」は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌。 2016年12月号の特集は<ほめて、子どもをダメにする親・伸ばす親>です。

 

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