捨てても元通りになってしまう、その理由とは!?

 

 

「引き算」する暮らしの始め方

 

洋服に食器、おもちゃや本……。家の中にはモノがいっぱいです。ときどきエイっと大量に捨てたりもしているのに、気がつくといつの間にか元に戻っているのはなぜ?

特に所有欲が強いわけではなくても、ふつうに生活しているだけで、モノはいつの間にか増えてしまうものです。それは、暮らしがあわただしく、心にゆとりがないから。家のこと、仕事、地域の仕事、やらなければならないたくさんのTO DOを抱える女性には、落ち着いて自分の暮らしと向き合う時間が足りないのです。

欲しくもないモノが増えてしまうのは、現代人であれば、ある程度仕方のないことなのかもしれません。

でも、多すぎるモノに囲まれ、モノに支配されたような暮らしは、息苦しく、動きづらいもの。できれば全部捨ててすっきりしたい!と思ってしまうけれど、家族と一緒の暮らしで、それはあまり現実的でないことが多いでしょう。

ですから、ときどき立ち止まって、自分の暮らしを「引き」で眺めてみることが大切です。あのとき輝いていたモノは、今の暮らしにもふさわしいでしょうか?かつて毎日のように使っていたモノが、今はほこりをかぶっていませんか?

「こんなモノ、邪魔だわ!」とばかり、バサバサと切り捨てるのではなく「便利に使ってきたけれど、今の暮らしにはもう必要ないのね」と納得して、「引いて」いく。そんな「引き算」を、毎日少しずつやっていきませんか?

「引き算する暮らし」は、決して「何もかも捨てる、モノを持たない暮らし」ではありません。「今の自分に本当に必要なもの、楽しく暮らせるサイズを見直し、暮らしと自分に向き合う暮らし」です。

今日はリビングの棚、明日はキッチンの食器棚――といった具合に、毎日少しずつ「引き算」していきましょう。

 

まずはチェック!暮らしの見直し2ステップ

 

【ステップ 1】

 

ライフスタイルにもよりますが、本当に必要なモノは、実はそんなに多くありません。モノを引き算する前に、持っているモノの数を数えてみましょう。洋服なら、「シャツ・ブラウス〇枚」「スカート〇枚」「靴〇足」などです。自分が理想とする適正数と比べることができますし、数えながら、明らかに使っていないモノ、引き算すべきモノが何かもわかってくるでしょう。

 

【ステップ 2】

 

持っているモノを数えたら、今度は「この中にはない、手に入れたいモノ」を書き出します。このとき気をつけたいのが、「それは、“欲しいモノ”なのか? “必要なモノ”なのか?」ということ。どんなにモノがあっても、「本当に必要なモノ」が足りていないことがあります。それは単なる「欲しいモノ」とは分けて考えなければなりません。これから手に入れるなら、必ず「必要なモノ」優先で。

 

こうして取り組もう!「引き算」の実践ルール

 

・1カ月使わなかったら引いていい

 

毎日必ず使っているモノは、実際は驚くほど少ないものです。生活用品であれば、季節用品など特殊な用途のものを除いて、暮らしから引いてしまってかまいません。服なら、1年を目安に判断しましょう。また、持ちすぎている予備の品なども、必要に応じて削減していきます。

 

・見ると幸せになるモノは引かない

 

使っていないモノであっても、美しいモノ、見ると幸せな気持ちにしてくれるモノは、引かなくてOK。それらは、あるだけで暮らしを楽しく、豊かにしてくれるモノだからです。ただし、しまい込まず、いつも目にふれる場所に置き、大切に手入れして。それができなくなったら、潔く処分を。

 

・必ずしも捨てなくてもいい

 

引いたモノたちは、なるべく早く処分したほうがいいのですが、どうしても捨てられなければ、分別した上で、段ボール箱に入れ、内容と日付のメモを貼って、床下や屋根裏など手の届きにくい場所に置いてしまいましょう。1年間思い出さなかったら、今度こそ中身を見ずに処分しましょう。

 

ここが肝心!キープするためのルール

 

・タダのモノをもらわない

 

誕生日プレゼントなどは別として、商品についてくる無料のおまけや粗品、実家の親や友人がくれる不用品など、タダのモノをもらわないことを徹底します。これを守るだけで、引き算しなければならないモノが激減します。

 

・今あるモノを生かし、人にも頼る

 

何かが必要になったときも、すぐに買うことを考えず、今あるモノで代用できないか?誰かに借りられないか? を検討する習慣を持ちましょう。使う頻度が少ないモノについては、特に大切なことです。

 

・即決で買わない

 

たとえ安いモノであっても、何か買うときは、前もって計画を立てていない限り、即決では買わないようにしましょう。面倒でも一旦お店を出て、しばらく考えて、やはり必要であれば買います。

 

・持つなら、汎用性のある丈夫なモノを

 

少ないモノでさまざまな用途をまかなうためには、いろいろな使い方のできる、シンプルで丈夫なモノを持つようにしましょう。少し値は張っても、結局お得ですし、生活の質も向上します。

 

・本当に気に入ったモノと暮らす

 

自分の暮らし方、価値観に合った、本当に気に入ったモノを選べば、精神的な満足度が高いので、よけいな物欲がわきません。時間をかけて検討し、買ったら手入れや修理法も学んで大切に使いましょう。

 

・モノの出ていくルートを確保する

 

モノは、「入れる」より「引く」ほうがタイヘン。買ったりもらったりするとき、「これを使わなくなったらどうするか」を必ずセットで考えます。あげる人や団体、売る手段などを考え、捨て方がわからないものを家に入れないように! 

 

引き算は暮らしに合わせて

 

「引き算する暮らし」というと、「いっぺんにすべてを捨てて、必要最低限のモノで暮らすこと」と連想されたかもしれません。

モノはないほどに、空間はすがすがしくすっきりします。必要最低限のごくわずかなモノで暮らすことも、確かに可能です。いっぺんに捨てることには、一挙に問題を解決できそうな魅力があります。

しかし、その空間で今までと同じクオリティの暮らしを維持するのは難しいでしょう。また、思い出の品や、美しい手仕事の品は、なくても暮らせますが、捨てれば心のよりどころを失ってしまうかもしれません。「モノがなくても生きられる」のは本当ですが、それでは美術も工芸も生まれてきませんね。

人間は変化し、成長する存在です。おむつが必需品の赤ちゃんがあっという間にランドセルを背負い始め、それさえ6年後には不要になります。いつか介護用ベッドや車椅子が必需品になる日だって来るのです。 「必要最低限」であっても、それは常に変化します。大切なのは「今、自分に本当に必要なモノと、そうでないモノ」を意識すること。そして、暮らしの妨げになるモノをそのときどきで「引き算」していくことなのです。

 

osusume.gif お金が貯まる片づけの黄金ルール

暮らしがかわると、モノの選び方もかわる~「私スタイル」の見つけ方

夜家事で、朝をゆったり過ごす
 

 

【著者紹介】

金子由紀子(エッセイスト)

出版社にて書籍編集に携わったのちフリーランスに。結婚後二児を得て、新たなシンプルライフの構築にいそしむ日々。暮らし、教育、ビジネス、旅行などの分野での取材・執筆・編集に携わる。主な著書に『持たない暮らし』(アスペクト)、『モノに振りまわされない!片づけのコツ』(だいわ文庫)、『クローゼットの引き算』(河出書房新社)、『40歳からのシンプルな暮らし』(祥伝社)など多数。

 

 


 

くらしラク~る「PHPくらしラク~る」は主婦が何気ない毎日をラクに楽しく過ごせるように応援する生活情報。 2017年1月号の特集は<持ちすぎない暮らし>です。

 

年間購読のご案内

毎月、忘れずに「PHPくらしラク~る♪」を読みたい! そんなあなたにおすすめしたいのが、年間購読。毎月ご自宅へお届けします。送料無料。 年間購読のお手続きはこちらからどうぞ