算数を"無駄に"嫌いにさせていませんか?子どもの苦手意識をなくす方法をご紹介します。

 

 

 

 

計算が得意な子は、絶対に算数が嫌いにならない

 

算数が嫌いといっている子どものほとんどが、計算ができません。つまり、計算ができないから、算数が嫌いなのです。計算ができるのに、算数が嫌いという子どもはあまりいません。つまり、計算さえできれば、算数に対する苦手意識をもつことはあまりないといえます。

計算は、小学校に入って毎日コツコツやっていれば、必ずやできるようになります。中には、いくら練習してもできない、という子どももいないわけではありませんが、ほとんどの子どもは、やればやっただけできるようになります。

算数を得意にするためには、まず計算を得意にしてあげることが大切です。

 

計算を得意にする方法

 

では、計算を得意にするにはどうしたらいいのでしょう。

それは、毎日コツコツとやることです。これしかありません。とはいえ、これがなかなかできない、という親の声を聞きます。

ポイントは、計算を楽しいものとしてとらえさせることです。計算練習は机に向かって集中して行う勉強、という「構えた気持ち」を抱かせないことです。

たとえば、お母さんとおやつを食べながら計算練習に取り組んではいかがでしょう。計算練習をつらいとは感じないはずです。もし、子どもがおやつを食べることに気をとられていたら、まずはおやつを食べさせましょう。そして、「あと1個食べたら続きをやろう。1ページ終えたら、また続きを食べようよ」などと声がけして、その日のノルマを終えさせればいいのです。

おやつを食べながらでなくても計算練習に取り組めるのであれば、どんどんやらせましょう。

小学校に入学したての1年生には、どんなスタイルであっても、計算練習をしたか、しないかが重要です。堅苦しく考えがちですが、最優先は楽しい時間であるかどうかです。

「机の前で気を散らさないように集中して、おしゃべりなんかしないで、どんどんやりなさい」などと声をかけていたら、考えを改めてください。

小学校入学前までは、机の前できちんと座って勉強したことのない子どもたち。ところが小学校に入るやいなや、いきなりじっと座って勉強するスタイルに、戸惑いを感じているとしても不思議ではありません。学校だけでなく、家でもじっと座っていなければならない時間が加わったら? その元凶は勉強にあると思って、勉強嫌いになってしまうかもしれません。

小学生になったからといって、いきなりできるようになるわけでありません。小学校入学を機に迎えた環境の変化に、親は徐々に慣らしていってあげることが大切です。

計算に話を戻します。好きな子には、どんどんやらせましょう。そうすれば勉強の習慣も身についてきます。計算があまり好きでない子には、とっかかりとして、おやつを食べながらでも、好きな音楽をかけながらも、楽しく取り組んでもらえばいいのです。

 

筆算より暗算

 

子どもが計算練習をしているとき、ケアレスミスで1問間違えました。

「なんで筆算しないの? 空いているスペースに筆算しなさいよ。目に見える形にしてやらないから間違えるんだよ」などと、子どもにいっていませんか?

私はそうは思いません。間違ってもいいから「暗算」をすべきだからです。

お母さんのいう通り、筆算は目に見えます。しかしそのぶん、頭の中で考えません。一方、暗算はひたすら頭の中で考えます。暗算をするということは、頭の中で考えること。それがいいのです。

筆算をさせたいのは、計算ミスを恐れる親心なのでしょうが、計算練習をする意義は、頭を鍛えることです。満点をとるためではありません。

暗算だと、最終的な答えを出す前に、一部計算した数字を頭の中で覚えておきつつ別の計算をする、などという場面も多々あります。計算練習を通して、こういう頭の使い方を毎日トレーニングすることが重要なのです。

私は、計算練習を通して、こういう頭の使い方をする時間をもってほしいと考えています。「結果さえよければいい」という小さな世界での完結を目指すなら、筆算のほうが間違いは少ないかもしれません。しかし、それでは計算力はつきません。当然、「理系脳」も育ちません。親は勇気を出して、子どもに暗算をたくさんさせてください。

 


 

【本書のご紹介】

 

子どもの一生を決める理系脳の育て方

 

『子どもの一生を決める理系脳の育て方』

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【著者紹介】

村上綾一(むらかみ・りょういち)

株式会社エルカミノ代表取締役。1977年生まれ。早稲田大学を卒業後、大手進学塾に勤務し、最上位コースを指導。同社を退社後、株式会社エルカミノを設立し、出版、教育事業を行う。教育部門「理数系専門塾エルカミノ」では直接授業も担当し、生徒を東大、御三家中、算数オリンピックへ多数送り出している。その一方で、パズル作家としても活動し、『デスノート』のスピンオフ映画『L change the WorLd』(2008年公開)で数理トリックの制作を担当。