あなたは日々、どんなことにストレスを感じますか? 人間関係やお金、仕事のことなど、さまざまな事柄があるでしょう。

 

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「心が弱いからストレスに負ける」はホント?

 

人間関係やお金、仕事のことなど、さまざまな事柄があるでしょう。また、こうしたストレスが原因で、肩こり、頭痛、寝つきが悪い、肌が荒れる、怒りっぽくなるなど、具体的な症状に悩まされている人もいるのではないでしょうか。

そんなとき、「自分が弱いからだ」と、自分を責めて悲しむことはありません。日常に起こることで、いちいちストレスを感じてしまうのは、あなたが弱いせいではないのです。

 

ストレスがあるのは「あたりまえ」

 

そもそも、ストレスは生きるのに欠かせないエネルギーです。

たとえば、夜道を歩いているとき、背後にひたひたと迫る足音がする。いったい誰だろう? ただ同じ道を通っているだけの通行人か、それとも痴漢、ひったくりか……。そう思っただけで、全身に緊張が走り、心臓がどきどきしてきます。すると心臓にどんどん血液が送りこまれ、体にエネルギーが満ちてくる。これを「ストレス反応」と呼びます。この反応のおかげで、もし本当に相手が痴漢やひったくりだとわかれば、とっさに声をあげる、うまく逃げるなど、普段以上にすばやい危機回避のための行動が可能になるのです。

逆に、まったくストレスのない日々を想像してみてください。メリハリがなく退屈で、そのこと自体が新たなストレスになりかねません。

よく現代は「ストレス社会」だと言われますが、昔の人にもさまざまなストレスがあったはずです。

もちろん、情報の過多や老後不安など、かつてはなかった新たなストレスが出現し、現代人が昔よりもずっと刺激が多いなかで生きていることは事実です。

けれど、いつの時代も存在するのがストレスであるならば、「生命力を維持するため、生きるための反応なのだ」と前向きに捉えたほうが、気持ちが楽になりませんか? ストレスは、捉え方しだいです。

 

最強の復元力「レジリエンス」を育てよう

 

ストレスに強い人、弱い人、などと表現をすることがありますが、「ストレスに弱い人間」とはどんな人のことでしょうか。

一つには、「ストレスのことばかり気にしている人」と言えるでしょう。

朝、おでこにプツンと吹き出物ができているのを見つけたとします。すると、「ああ、私はやっぱりストレスが多いんだ」と考える。勤務先で「おはようございます」と元気よくあいさつしたのに、上司はチラッと目を向けただけだった。そんなときには「何を怒っているんだろう。無視されているのかも」と、自分をどんどんストレス環境に追い込んでしまう。

実際には、吹き出物は単に油ものを摂とりすぎただけかもしれないし、生理前なら誰だって肌荒れしやすくなる。上司はたまたま、ちょっとほかのことに気をとられていただけかもしれません。

大切なのは、日常生活や仕事に大きな支障をきたさない限り、ちょっと気になることがあったからといって、いつまでもそれにとらわれないことです。いえ、それがもし深刻な悩みだったとしても、四六時中その悩みにどっぷりつかっているのは良くありません。かえって全容が見えなくなり、アリ地獄にはまってしまうので要注意なのです。

 

【監修者プロフィール】

保坂 隆(ほさかたかし)
1952年、山梨県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授。『50歳から人生を楽しむ人がしていること』(三笠書房)など著書多数。最新刊は『5分でできる「プチ・ストレス」解消術』(監修/PHP文庫)。

 


PHPスペシャル

 

PHPスペシャル2017年5月号特集「ストレスが軽くなるヒント」より

人間関係や仕事など、私たちは日々さまざまなストレスを感じています。がんばっている人、真面目な人ほど、それは大きいかもしれません。ストレスをゼロにすることは難しいとしても、ためこまないようにするには、どうすればいいのでしょう?一人で悩まないためのヒントを探ります。