学校では、子どもたちへの本の読み聞かせが盛んに行われています。朝、授業の始まる前や休み時間の10分~15分間程度、保護者や地域の方々が教室に出向き、本を読んであげる活動です。

 

読み聞かせを行う学校は年々増加しており、全国の小学校のうち93%の学校が実施しています。高学年の子どもが低学年の子どもたちに読み聞かせを行っている学校もあります。読書に親しんでもらうことがねらいです。

 

私も、この数年間、読み聞かせ活動に参加しています。学校からボランティア募集の連絡が来たのがきっかけでした。読み聞かせ初日、ちゃんと聴いてくれるだろうかとちょっとドキドキしながら学校に向かったことを覚えています。実際読み始めてみたら、子どもたちの反応はこちらの想像以上でした。「次は何が出てくるかな~」と動物の絵本のページをめくりながら問いかけると、「カエル!」「トカゲ!」といっせいに反応してくれます。まるで、自分が語りの名人になったかのような感覚です。それですっかりやみつきになってしまいました。

 

本を読んで聞かせるのは楽しいのですが、どんな本を読めばいいのかでいつも悩みます。とくに高学年の場合、高学年向きの本は長くて読みきれず、かといって短い絵本では幼すぎるので、読み聞かせに適した本を選ぶのはなかなか大変です。インターネットで検索すると、学年に合わせて読み聞かせにふさわしい本が紹介されています。それらを参考に図書館で10冊ぐらい本を借り、そのなかから選ぶようにしています。

 

ところで、ある自治体が5歳児の保護者を対象に、誰が家庭での読み聞かせを行っているかを尋ねたところ、母親と答えた保護者の割合が77%、父親と答えた保護者が34%だったそうです(複数回答)。3割以上の家庭で父親が読み聞かせを行っていることに比べると、学校での父親の読み聞かせ参加率はかなり低いように思います。

 

読み聞かせに参加すれば、学校での子どもや友達の様子を知ることができ、それが子どもとの会話の理解につながります。したがって、ふだんの子どもの様子をなかなか知ることのできない、仕事を持っている保護者こそ参加する意義があるといえます。

 

そうはいっても、父親に限らず母親も含め仕事を持っている保護者は参加したくても参加できないことが多いでしょう。ただ、保護者の都合に合わせて交替で読み聞かせを行う学校であれば、人によっては年に1回の参加でもよいと思います。年に1回、朝9時までの15分間程度の時間です。

 

読み聞かせは、わずかな時間で学校の教育活動に貢献できるチャンスです。ぜひ皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。

 


 

schooltop.jpg亀田 徹  (かめだ・とおる)

PHP総研 教育マネジメント研究センター長/主席研究員

学校経営の質の向上とそれを支援する教育委員会の役割が主な研究テーマ。子どもや保護者にとって満足度の高い教育を提供する学校づくり、教職員が元気になる学校づくりを目指す。現在は、民間の経営手法やコーチングを取り入れた学校経営プログラムの開発と実践に取り組んでいる。