私は40歳で、中学1年生の息子・一馬と保育園の年長の娘・夢の母です。今から2年ほど前、それまで何ごともなく過ごしてきたのですが、突然体調が悪くなり、病院へ行きました。
  

 

 

すると、なんと難病の「こうげん病」だと言われてすぐに入院することになりました。何が何だかわけがわからず、本当にびっくりするだけでした。そして、入院することよりも、子どもたちのことが心配でなりませんでした。


「ご飯は? 洗濯は? 行事ごとは誰が行くの?」
入院中は家のことが心配で心配でしょうがなく、そのことばかり口にするので、逆に病院の先生からは、
「まずはご自分の病気の治療に耳を傾けてください」
と言われるほどでした。


入院中、お見舞いに来ても、私にまったく触れようとしない娘……。時間が来ると帰っていく娘の姿を見て、私はいつもベッドで泣いていました。

 

それから最適な治療方法がわかり、ようやく退院できることになりました。
また家族での生活ができると思うとしくて嬉しくて、
「子どもが学校や保育園から戻って来たら、何て言おうかなぁ」
と、ひとりでニヤニヤしていました。
 

でもこんなにいろいろ考えていたのに、いざ玄関が開くと真っ先に出てきた言葉は、
「おかえり!」でした。
 

入院中1度も私に触れようとしなかった娘は、私に飛びついてきました。私は涙がとまりませんでした。
 

そしてしばらくして、娘が私に触れようとしなかった理由を息子から聞きました。
「病院のママに触ったらバイバイができなくなるから、我慢してたんだよ」って……。
子どもってすごいです。
 

それから私は、自分が難病だということを忘れるくらい、ワイワイ、ガヤガヤと、家族で楽しい時間を過ごしました。

 

しかし、そんな楽しい時間も長くは続かず、また体に異変がありました。次は治療で使っていたステロイドが原因で「ステロイド糖尿病」になり、また入院することになってしまったのです。
 

今回はさすがに、生活面、金銭面でも家族に迷惑がかかるので、
「自分なんていなくなればいい」
と思うようにもなりました。しかし子どもたちは違っていました。

 

「自分のお腹に自分で注射をするお母さんも、病気のお母さんも全部大好き! だからがんばって自分で注射を打てるようになってね!」
「夢の保育園の迎えはが行くから! お弁当箱とおはしは夢が出すけん」
言ってくれました。力強い言葉でした。私は病気になってしまったことに対し、後ろ向きなことばかり考えていました。
 

治療をがんばろうとは考えない私より、子どもたちのほうがずっと前向きで、何より私のためにがんばろうとしてくれていました。
その姿に、
「私はひとりじゃない」と思えました。


今は症状も安定し、たまに薬や治療を忘れると子どもたちから、
「お母さん、注射は?」
「お母さん、薬飲んだ?」
と言われてしまいます。ひとりじゃないと思えるのは、本当に心強いです。

 

これからも子どもたちとたくさん会話をして、たくさん遊んで、時にはケンカもしながら、病気とも上手につき合っていこうと思っています。
 

そして、どんどん成長していく2人の姿を楽しみに、これからもがんばっていこうと思います。一馬、夢、あなたたちは最高の宝です。心からありがとう。

 
 (熊本県熊本市 40歳 パート) 

 のびのび子育て3月号「あたたかな日々」より

 


  

 

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『PHPのびのび子育て』は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌です。