子どもたちに期末テストがあるように、学校にも年度末のテストがあります。教育活動の成果や子どもたちの状況を年度末に評価する「学校評価」という制度です。 

 

ある小学校の評価結果を見てみましょう。

 

「子ども一人ひとりに目を向けた指導に取り組んでいきます」との項目に対し、「普段から、話し方、聞き方の指導を様々な場面で図ってきたが、自分の思いを表現できず、伝えられない児童が比較的多い」として評価結果は「B」。同様に、学習指導や進路指導、保健管理や安全管理などに関する評価結果を「A」、「B」、「C」で表しています。

 

学校評価は、誰が評価するかによって2つに分けられます。校長および教員がみずから評価するのが「自己評価」、保護者や地域の人といった関係者が評価するのが「学校関係者評価」です。全国の公立学校のうち、自己評価を実施している学校の割合は99%、学校関係者評価を実施する学校は81%です。

 

多くの学校で評価を実施しているものの、わかりやすい評価が行われているとは言い難いでしょう。さきほどの小学校の例でいえば、「B」という評価結果を保護者が見たとしても、果たしてどのレベルなのか、何に対して「B」なのかがよくわかりません。

 

そもそも学校評価の目的は、「(1)保護者などに説明責任を果たすこと」および「(2)評価を通じて学校運営を改善すること」等とされています。これらの異なる目的を合わせて実現しようとするから、わかりにくくなるのです。目的に応じて次のように評価方法を変えるべきです。

 

(1)の説明責任を果たす観点からは、教育活動の全体像を客観的に示す必要があります。それは学校の健康診断のようなものです。主観的な感想ではなくできるだけ数値で表すことが適当でしょう。たとえば、授業時間数や学校図書館の利用頻度、学力テストや体力テストの結果などのデータを、標準値と比較してもらえば保護者にもわかりやすいと思います。

 

一方、(2)の学校運営を改善する観点からは、改善策の手ごたえを評価します。改善策を継続的に実行することが大切だからです。たとえていえば「運動不足解消のために毎日30分間ジョギングする」というような改善策です。そう考えれば、必ずしもデータでなくても、「身体が軽くなった」との主観的な説明でもよいことがわかるでしょう。ただし、改善策は具体的な内容にしなければなりません。改善策を実行したかどうかをはっきりさせるためです。

 

この学校評価制度ができてから10年ほどが経過したにもかかわらず、文科省も評価方法を調査研究している段階であり、各学校の評価方法もさまざまです。効果的な評価方法の確立が望まれています。

 

評価を実施する学校のうち約3割の学校では評価結果をHPで公開していますので、お子さんの通う学校や地域の学校の評価を一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。 

 


 

schooltop.jpg亀田 徹  (かめだ・とおる)

PHP総研 教育マネジメント研究センター長/主席研究員

学校経営の質の向上とそれを支援する教育委員会の役割が主な研究テーマ。子どもや保護者にとって満足度の高い教育を提供する学校づくり、教職員が元気になる学校づくりを目指す。現在は、民間の経営手法やコーチングを取り入れた学校経営プログラムの開発と実践に取り組んでいる。 

★学校運営改善に関する報告