新年度の開始から2か月近くたちました。年度当初は張りきって学校に通っていたものの、そろそろ学校生活の疲れが出始める子もいるのではないでしょうか。

 

ある小学校を訪問したときのことです。学校の玄関口で、3年生ぐらいの女の子と母親、先生の3人が話しているのを見かけました。どうやら女の子は教室に入るのをいやがっているようです。

 

「○○ちゃんが来るのを、みんな待っているよ」と先生が誘っても、女の子はぐずるばかり。母親の後ろに隠れようとします。しびれを切らした母親が、ぐっと腕をつかんで押し出そうとすると、女の子は泣き出してしまいました。

 

詳しい事情はわからないながらも、傍からみていると、そこまでして登校させなければいけないのだろうかと思ってしまいます。

 

たまには子どもを休ませることがあってもいいと思うのです。

 

というのは、学校に通う目的は、あくまでも子どもたちの力を伸ばすためであり、学校に通うこと自体が目的ではないからです。登校は目的ではなく手段です。

 

すこし休んで元気になれば、子どもはみずから伸びていく力をもっています。学校を休んで子どもが元気になるのなら、数日休ませるほうが子どもの成長にとってずっとよいのではないでしょうか。

 

学校に通うぐらいで疲れてどうする、学校でいやなことがあっても子どもには我慢させるべきとの意見もあるでしょう。たしかに我慢は大事です。けれども、たとえ登校できなかったとしても、勉強でもスポーツでも習い事でも我慢する力を身につける機会はいくらでもあります。それぞれの子どもに合った方法で我慢させればよいと考えます。

 

登校したくない原因はさまざまです。学校生活が合わない、いじめの問題があるなどが原因の場合、数日学校を休んだだけで問題は解決しないかもしれません。

 

けれども、問題解決に直接つながらないとしても、学校に行かなくてもよいと保護者が認めることに意味があると考えます。学校のなかに居場所をみつけられない子どもに対し、“あなたの居場所は家にある”というメッセージを送ることになるからです。無理やり学校に押し出す態度は、その逆のメッセージを子どもに伝えることになるおそれもあります。

 

 「いじめによるストレスから回復するための休養期間」あるいは「進路選択を考える上で自分を見つめ直す」ための時間としての不登校もあると文科省の会議は提言しています。子どもの状況に応じて学校に通わないことも認めているのです。

 

しかしながら、実際は、病気でもないのに学校を休ませることに躊躇する保護者の方は多いと思います。学校側も登校しないことに理解があるとは限りません。

 

そこで、次回は、子どもの休みを公的に認める新たな仕組み、いわば“子どもの有給休暇“のような仕組みを提案してみたいと思います。

 


 

schooltop.jpg亀田 徹  (かめだ・とおる)

PHP総研 教育マネジメント研究センター長/主席研究員

学校経営の質の向上とそれを支援する教育委員会の役割が主な研究テーマ。子どもや保護者にとって満足度の高い教育を提供する学校づくり、教職員が元気になる学校づくりを目指す。現在は、民間の経営手法やコーチングを取り入れた学校経営プログラムの開発と実践に取り組んでいる。