学校に行かなければいけないと思いながらも、なかなか登校できない子どものために、いわば“子どもの有給休暇”制度をつくってはどうかと考えます。

 

これまでも、不登校という実態に対応するため、いくつかの制度が設けられています。

 

①学校では、国の指定を受けることで、不登校の子どもたちのための特別のカリキュラムを編成することができます。通常のカリキュラムではなく、たとえば授業時間を短縮するなど子どもの実態に応じた時間割を編成できるようになっています。八王子市立高尾山学園など10校が指定を受けていると文科省のホームページで紹介されています。

 

②子どもがフリースクール(不登校の子どもが学習・活動する施設)などに通う場合、校長の判断で学校の出席扱いができるようになっています。全国で約1万4千人の小中学生が出席扱いの対象になっています。

 

③さらに、インターネットなどを活用して自宅で学習する場合も出席扱いが認められています。この制度により出席扱いとなった小中学生は全国で約250人います。

 

前回のコラム(「たまには学校を休んでも」)で、子どもの状況によっては無理やり学校に行かせるのではなく、たまには学校を休んでもいいのでは、と述べました。文科省の会議も「いじめによるストレスから回復するための休養期間」あるいは「進路選択を考える上で自分を見つめ直す」ための時間としての不登校もあると提言しています。

 

自主的に休もうと思えば休めるものの、病気でもないのに学校を休むことに後ろめたさを感じる子どもや保護者の方も多いでしょう。そこで、学校が休みを認める制度を提案したいと思います。

 

さきほどの、インターネットなどを活用して自宅で学習する場合に出席扱いとする制度は、不登校の子どもが対象になっています。この制度をすこし拡大して、不登校ではなくても、一定の条件のもとで学校を休んだ場合も出席扱いの対象にするのです。1日休むことで元気を回復し、気持ちを切り換えて登校できるようになるケースもあるからです。

 

これに対し、安易に学校を休むことを認めると、忍耐力が身につかなくなるという意見もあるでしょう。そこで、いま学校を休むことがその子のためになるかどうかを保護者と学校で相談して決めるとよいと考えます。保護者からの申し出に応じて、子どもの様子を見ながら学校の判断で出席扱いを認めます。

 

あるいは、学校を休むとその分学習が遅れることを心配する方もいるかもしれません。学習が遅れないように、たとえば「ドリルの○ページまで家庭で進めてください」といった宿題をあらかじめ学校が出すことにします。家庭での学習状況をチェックするのは保護者の役割です。

 

出席扱いにできる日数は、年間で7日間ぐらいが適当でしょう。いまの法令では、正当な理由なく保護者が7日間学校を休ませると、校長から教育委員会へ連絡することが定められているからです。

 

どうしてもしんどいときには学校を休むという選択があってもよいと思うのです。みなさんは、どのように思われますか。 

 


 

schooltop.jpg亀田 徹  (かめだ・とおる)

PHP総研 教育マネジメント研究センター長/主席研究員

学校経営の質の向上とそれを支援する教育委員会の役割が主な研究テーマ。子どもや保護者にとって満足度の高い教育を提供する学校づくり、教職員が元気になる学校づくりを目指す。現在は、民間の経営手法やコーチングを取り入れた学校経営プログラムの開発と実践に取り組んでいる。