『迷路絵本シリーズ』は、歴史・自然などの学習要素が数多くもりこまれた絵の中に迷路が描かれているが、今回のテーマでは、星座や太陽の表面、星雲などの中に取りこむ形で迷路をつくる必要がありました。

 

そのため、これまでの迷路絵本に比べ、迷路が必ずしも明確ではありません。

3月から原画を数枚ずつ受けとりに行きましたが、香川先生はその都度、「迷路(道)をこれ以上わかりやすくしようとすると、本当の宇宙の姿からどんどん遠ざかってしまうので、ここまでにしておきたい」といった趣旨のことをおっしゃいました。

この迷路絵本シリーズは、迷路遊びの絵本であるのと同時に知識絵本でもあり、著者はこの点でギリギリまで格闘しているのでした。

どこまでリアルさに徹するのか、どの部分をイマジネーションの世界にするのか——このことは、迷路絵本の制作上、著者はもとより、監修者や担当編集者も、常に考慮すべき点です。

この点で今回、一番苦心したのは、星座の2場面(春夏・秋冬)です。星座の形や、星と星の線の結び方、あるいはどこまでの明るさ(等級)の星を採用するか、などといったことに、明確なルールがあるわけではないからです。

とはいえ、あまりに極端なものやおかしなものは避けるべきでしょう。

そこで、複数の図鑑などを参照しながら、数百に及ぶ星の1点1点が妥当かどうかを吟味していきました。

まさしく、リアルさとイマジネーションの世界の狭間での闘いであった。それらの修正に関して、香川先生は快く応じてくださいました。

この星座の2場面は、初回限定の特大ポスター(付録)にもなっています。

単に拡大するだけではお得感に欠けるので、星座の形と名前が覚えやすいよう、欄外に星座名一覧を付けるなど工夫してあります。

最後に、本書の目玉をご紹介しておきます。

これは香川先生の当初のストーリーにはなかったものだが、時代の寵児である宇宙飛行士8人の似顔絵を1場面に1人ずつ登場させ、『ウォーリーをさがせ!』の感覚でワクワクしながら探してもらうという設定を試みています。

子どもたちからどんな反応があるか、とても楽しみです。

 

児童書出版部 山口 毅


 


 

 


宇宙の迷路

「宇宙ステーション」や「もえる太陽」にある迷路を通りぬけ、かくし絵をみつけよう!

太陽系のしくみなど、宇宙のことも学べる一冊です。