子どもや地域のための活動を行う父親の集まりである「おやじの会」が全国の学校で設立されています。

 

その活動内容は、子どもたちとのスポーツイベントやキャンプの実施、地域の行事や安全パトロールへの協力など、学校ごとにさまざまです。

 

わたしが参加していたおやじの会では、地元の児童館が行うウォークラリーに協力したことがあります。父親たちがゲームコーナーを担当し、“しっぽとり”というゲームで子どもたちと一緒に走り回ります。参加した子どもたちの「おもしろかった」との感想に、父親たちも満足感を味わいました。

 

別の小学校のおやじの会は、日曜日にドッジボール大会を主催しました。皆が参加できるスポーツを通して、子どもだけでなく、保護者や教員間の交流を深めようとのねらいです。この会では、自治会主催の夏祭りに“水中コイン落とし”“輪投げ”のお店を出したりもしています。

 

全国でどれだけのおやじの会が設置されているのか正確な数は不明ですが、たとえば横浜市では約1/4の小学校、約1割の中学校でおやじの会がつくられています(平成21年度。横浜市教育委員会調べ)。

 

参加したい人が無理なく参加することをモットーに、有志があつまって活動している団体が多いようです。

 

子どもたちのための活動ではあるものの、みずからが楽しんで参加している父親が多いのではないかと思います。

 

参加することで同じ地域に住む父親の知り合いが増えます。学校の先生と話す機会も多くなります。さらに、地域とのかかわりも広がります。前述のウォークラリーにはおやじの会のほかにもいくつかの団体が協力しており、「自分が住んでいる地域にこんな団体があるのか」と新たな発見をすることができました。

 

なにより、多くの子どもたちの笑顔を見ることができます。

 

活動に参加して思ったことがふたつあります。

 

ひとつは、学校からのサポートです。子どもたちのために何かしたいと思って父親は参加します。けれども、父親たちだけでは、最初のうちは何をすればよいかがよくわかりません。

 

活動が定着するまでの間は、学校側から「これをしてください」と仕事の依頼があればおやじの会としても助かるでしょう。図書室の整理や学校の周囲の清掃でもよいと思います。活動の後に、学校から感謝のことばをかけてもらうことで、父親たちも「やってよかった」と感じるはずです。

 

もうひとつは、PTAとの関係です。PTAの組織としておやじの会を置いている学校もあれば、PTAとは別組織として置く学校もあります。それぞれの学校で事情は異なるでしょうが、PTAのP(=parent:親)は母親に限るものではないのですから、PTAとおやじの会を別々に置くのもややおかしいように思います。両者の活動は重なるところもあり、同じ組織にしたほうが保護者の間で負担を分担できるのではないでしょうか。

 

無理なく楽しく保護者が活動できるよう、学校と保護者の間で活動の進め方を話し合うことが必要と考えます。

 


 

schooltop.jpg亀田 徹  (かめだ・とおる)

PHP総研 教育マネジメント研究センター長/主席研究員

学校経営の質の向上とそれを支援する教育委員会の役割が主な研究テーマ。子どもや保護者にとって満足度の高い教育を提供する学校づくり、教職員が元気になる学校づくりを目指す。現在は、民間の経営手法やコーチングを取り入れた学校経営プログラムの開発と実践に取り組んでいる。