子育てとは、「子どもとの関わり」そのものです。泣いていれば「どうしたの?」と問いかけ、うまくできれば「じょうずにできたね!」と褒(ほ)める。また、いけないことをすれば「ダメ!」と叱り、元気がなければ「がんばって」と励ます……。本当に毎日が、その繰り返しですよね。

 

時には鬱陶(うっとう)しいと思うこともあるかもしれませんが、もし、子育てでそうした「関わり」を一切なくしてしまえば、たちまち子どもたちは生きていけなくなります。つまり、親から子への関わりは、子どもが育っていくうえで、なくてはならないものなのです。

 

しかし、まだ言葉も話せないし、理解もできない幼児に滔々(とうとう)とお説教をしたり、過剰な期待をかけてしまったり、また、いわゆる“プレ思春期”にある児童期の子に向かって、赤ちゃん言葉で話しかけたり、子ども扱いをしたり……いくら「関わり」が大切とはいえ、これでは子どもはすこやかに育ちません。もちろんこれは極端な例ですが、できれば子どもの発達に合わせた、適切で効果的な関わりを、親としては実践していきたいもの。そんなときにきっとお役に立てるのが『子どもの心をギュッ!と抱きしめる子育て』です。

 

本書では、胎児期を含めた0歳児~12歳頃までの子どもの発達段階を6つのステージにわけ、それぞれのステージで親が心がけておきたい、子どもへの関わり方(本書では“ストローク”と呼んでいます)や、子どもの心に響く言葉かけ、働きかけなどを、わかりやすく紹介しています。

 

ところで冒頭の、「子育てとは、『子どもとの関わり』そのもの」という表現を、「人生とは、『人との関わり』そのもの」と言い換えることも可能だと思います。生きていくうえで、人との「関わり」を一切なくしてしまえば、たちまち私たちは生きていけなくなる、というわけです。つまり、子どもたちだけでなく、お母さんにとっても、お父さんにとっても、誰にとっても「関わり」(ストローク)は大切なのです。

 

実は、本書で紹介している6つのステージの分類と、それらに適した関わり(ストローク)の考え方は、子どもに対してだけではなく、私たち成人の精神状態や環境にも適用できるというスグレモノ。たとえば、「なんとなく今の状態(環境)が窮屈(きゅうくつ)に感じる」ようなときは、胎児期(プレ・ステージ)にいるのかもしれません。「ちょっと心細い」ときはステージ1、「新しい何かにチャレンジしているとき」はステージ2……など、自分の今の立ち位置や状況が何を意味し、どういう関わり(ストローク)があればなお良いのか、ということまでが、わかるようになっています。

 

本書で紹介している「関わり」(ストローク)は、子どもだけでなく、お母さん、お父さん、そして、子育てに関わるすべての人の心を抱きしめ、ハッピーになるための秘訣です。子と親が共に育ち合いながら幸せになる――考えてみれば、それこそが、子育ての本来の姿なのではないでしょうか。

 

PHPエディターズ・グループ

 


 

【出典】 『子どもの心をギュッ!と抱きしめる子育て』 (PHP研究所)

 

 

【著者】

あべともこ (安部朋子)

マスコミ、物流業界を経て、石原産業株式会社連結子会社Ishihara Corporation U.S.Aの営業部長として6年間のサンフランシスコ勤務を経験。その後、TA(Transactional Analysis:交流分析)やカウンセリング。親業を学ぶ。1997年にアメリカ・ボストン市で開催された国際TA協会の資格試験に、日本では最初の教育部門資格取得者3名のうちの1人として合格。その仲間とともにTA教育研究所を本格的に始動しはじめる。一般社会人向けのコミュニケーション講座やTAカウンセリング入門講座、保護者や教育に携わる人たちを対象に子育て学習会や講演会、TAを使ったリーダーシップ研修、社員教育の実施、専門学校での心理学の指導を行っている。著書に『ギスギスした人間関係をまーるくする心理学』『ぎゅ~っと抱きしめ子育て法』(以上、西日本出版社)がある。

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