小学生中学年・高学年以降の思春期向けの子育て本では、よく「子どもが反抗期を迎えたら赤飯を炊きましょう」「反抗は必要なことです」と書いてあります。でも、お母さんとしては、わが子が反抗してどうしようもないときの、具体的で前向きな対応を知りたいのではないでしょうか。子どもが目に余る言動をしたとき、親はそのすべてを受け入れたほうがいいのでしょうか。
 

 

――家庭向け直販本『「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方』~思春期に入る前に知っておきたいこと~では、子育てコーチングを専門とする東ちひろ先生(東ちひろマザーズセラピー主宰)が修復不能な親子関係に陥らないための子育て法を解説しています。
本ページでは、そのなかから「お母さんの心構え」を2回にわたってご紹介します。

 

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◆お母さんの心も大きく揺れる時期

子育てに悩みはつきものです。みなさんも、子どもが幼いときからあれこれと迷ったり悩んだりしながら子育てをしてきたことでしょう。子育ての悩みは今日に始まったことではないと思います。子どもが幼いころは、「うちの子、まだオムツがはずれません」「赤ちゃん返りをして抱っこをせがまれます」など、公園で子どもを遊ばせながら、近所のママ友と話をしたかもしれません。いま考えると、あれはなんだったのでしょう……。思春期の大変さと比べると、あのころの悩みは子育ての悩みのうちには入らないと感じられるかもしれません。

 

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思春期の子育ての悩みが深い原因には、お母さん自身が人には相談しにくいと感じてしまい、自分の子育てについて閉鎖的になりやすいことがあります。「○○幼稚園ってどんな感じですか」とママ友に相談できたとしても、「うちの子、偏差値が○○なんだけれど、△△中学校に入れるかしら……」とは聞きにくいものです。ましてや、「うちの子、私に『うるせえ、ババァ。死ね、消えろ』と言うのです……」とはちょっと言いにくくなります。

 

また、子どもによって、部活動が大好きな子、勉強熱心な子、遊びが大好きな子、ジャニーズが大好きな子、ゲームが大好きな子、と興味関心や行動パターンが多様に広がっていき、わが家の子育ての悩みがお隣の子育ての悩みといっしょにはならなくなります。受験を心配する親もいれば、家出した子どもを心配する親も出てくるわけです。

 

そして、幼いときだったら、「最近、幼稚園を行き渋るようになりました……」と先生にも相談できますが、学校の先生に、「最近、朝までゲームをしているんです」と相談していいやら悪いやらと考えるようになります。子育ては八方ふさがりとなります。

 

さらに、お母さんは女性なので、男の子が暴言を吐くことに戸惑ったり、女の子であっても、自分のときとは反抗の仕方が違ったりすると、お母さんの心の軸は大きく揺さぶられて、ぶれていきます。


◆いまからでも遅くない

私は、子どもへのかかわりは、幼いころのほうが子どもの変化が早く現れると感じています。例えば、家を作るときには、基礎工事をした上に家を建てなくては、いくら鉄骨の家を建てたからといって、すぐに傾くのが目に見えています。

 

しかし、子育てには遅すぎることはないのです。書店には、「子育ては三歳までが大切」「十歳までに子育ては決まる」という本が並んでいます。しかし、子どもが思春期になってからでは手遅れだとしたら、小学校の高学年の先生や、中学校の先生は、すでに手遅れの子どもの相手ばかりをしていることになります。いくら頑張っても子どもは変わらず、無駄なことをすることになってしまいます。また、大人が自分を変えたいと思ってコーチングやカウンセリングを受けても、何も変わらないということになってしまいます。

 

しかし、そんなことはありません。過去の子育てを悔やむよりは、いまできる一番いいと思うことをやっていきましょう。親子関係は人間関係の一つのかたちです。人聞関係は、こちらのかかわり方が変われば、必然的に相手の反応も変わっていきます。むしろ、何も変わらないほうが難しいのです。気がついたときが吉日です。

 

『「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方』
「第1章 思春期のことを知っておこう」より

 


【著者紹介】

東ちひろ  ひがし・ちひろ

幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、現在は「東ちひろマザーズセラピー」を主宰。上級教育カウンセラー、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、(財)生涯学習開発財団認定コーチ。
心理学とコーチングを使った独自のアプローチ方法で、お母さんと先生のための電話相談を行ない、これまでに1万件以上の実績がある。相談を受けた93%の子どもが状況の改善をし、不登校児童・生徒の75%が完全に学校復帰をしている。
子どものタイプに合わせた即効性のあるアドバイスは、クライアントから「たった1回のアドバイスで、言うことを聞かない子どもが“やる気”になった」「怒ってばかりだった自分が信じられないほど“穏やか”になった」と好評を得ている。講演会・執筆活動にも精力的に取り組み、ホームページやブログ、メールマガジンでは、お母さんと先生に役立つ情報を発信し続けている。一男一女の母。
著書に『子どもが伸びる! 魔法のコーチング』(学陽書房)、『男の子をぐんぐん伸ばす! お母さんの子育てコーチング術』(メイツ出版)、『スペシャリスト直伝! 教室で使える! ほめ方・しかり方の極意』(明治図書出版)。

東ちひろホームベージ  http://www.kosodate-up.com/
東ちひろプログ  http://ameblo.jp/kyouikucoaching/
 

 


 

 

『「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方』
 ~思春期に入る前に知っておきたいこと~


 
「いい加減にして!」「うざい!」――修復不能な親子関係に陥らないための子育て法。具体的な対応を知りたいお母さんへ、子育てコーチングのプロが出し惜しみなしで解説しています。