家庭直販書『これからの女の子に身につけてほしいこと』は、自由学園女子部部長・近藤正美先生が、これからの女の子に必要な「率先力」「責任感」「実行力」「やさしさ」の4つの力を紹介。その育み方を解説した1冊です。 


 

本書の中で近藤先生は、「女の子を育てるにあたって覚えておいてほしいこと」をいくつか挙げておられます。ここでは、その一部をご紹介します。

 

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女の子はガマンしてしまいがち

女の子は、ほんとうは納得していないのに、「はい」と返事をすることがあります。心の底でそうは思わない、やりたくない。いろいろな気持ちがうずまいているのにもかかわらず、「はい」と受け入れてしまいがちなのです。男の子に比べて、女の子ははっきり「嫌だ」と主張する子が少ないように感じます。決してよいことではありません。


親子でも、心と心が響き合えるような、嫌なことは嫌だと断れるような環境をつくっていかないと、きちんとした関係を築くことは難しいでしょう。無理難題を押しつけられていると感じたり、理不尽だと思うようなことに対しても、女の子は比較的、我慢して受け入れてしまいます。「なんでそんなことしなくちゃいけないの」と、内心つぶやいているかもしれません。納得できないのにもかかわらず我慢して受け入れ、言われたとおりにできてしまう女の子が多いから、余計心配になってしまいます。

 

ふだんの親子関係のなかで自分の率直な気持ちをお母さんに言えているようだったら、問題はありません。しかし親子関係のなかで、親にそんなつもりがないにしても、子どもからすれば高圧的、理不尽、無理難題と感じるようなものの言い方をしていると、子どもはどこへ行っても、言われたことは無理をしてでもやらなければならないと思って我慢してしまうでしょう。

 

ことの大小は別にしても、基本はふだんからの親子関係のありかたです。

 

ただし、本人に我慢をさせてでもやらせなければならないこともあります。嫌だろうが納得していなかろうが、お母さんがそうすべきだと思ったことはさせなくてはいけません。たとえば、食事の指導などがそれです。きちんとした品のよい食べ方を身につけさせるには、箸の持ち方から、口への運び方など、注意をする必要があります。
「そういう食べ方は品が悪いからやめなさい」
「その箸の持ち方はおかしいから直しなさい」
など、これは本人のために、我慢してでも訓練させるべきことでしょう。

 

ご飯の食べ方のような訓練的なことは、特に女の子の場合はきちんと身につけさせるべきです。きちんとした立ち居ふるまい、言葉遣いなど、気がついたらその都度、本人が納得しようがしまいが、「それはおかしなことなんだからやめなさい」「これは変だから直しなさい」と指摘してあげるべきです。一度で直るようなことではありませんから、くり返し指摘するべきです。

 

注意されたときは嫌だと思うかもしれませんが、将来美しい立ち居ふるまいができるようになったと気づいたとき、お母さんに対する感謝の気持ちが芽生えるでしょう。

 

我慢させてはいけないことと、我慢させるべきこと。その見極めは難しいですが、お母さんがきちんと判断してあげましょう。

 


女の子はよく泣く

私は自由学園の男子部に28年間勤め、9年前に女子部へ移りました。移った当初に戸惑いを感じたのは、女の子はほんとうによく泣く、ということです。悲しいときも悔しかときも、嬉しいときも嫌なことがあったときも、怒りながらでもよく泣いています。

 

どうして泣いているのかは、おそらく当人たちにもよくわかっていません。ただ不思議なのは、いつまでもぐじぐじと拗ねているような子は、めったにいないということです。しばらくすると、けろっとして、さっぱりとした表情になっていることが多いように思います。泣くことによって自分のなかでひとつのけじめがついているのでしょう。つまり、自分の気持ちや感情を表現する手立てとして、女の子は泣きやすい、涙しやすいということです。

 

女の子が泣いているとき、それを大人がいかに受け取るかが重要です。そのひとつとしては、泣いている子を叱らないということです。気持ちが混乱し、ぐちゃぐちゃになっているわけですから、まずは、気持ちが落ち着いてくるのを待つことです。気持ちが落ち着いて、子どもが自分から自然に話しはじめたら、ただそばで聞いてあげてください。

 

 

【出典】『これからの女の子に身につけてほしいこと』 (PHP研究所)

 

【出典】

近藤正美  こんどう・まさみ
1950年東京都生まれ。1975年に学校法人自由学園男子部に数学教諭として就任。その後、女子部教諭を経て、2009年より女子部部長。「思想しつつ生活しつつ祈りつつ」と「生活即教育」を教育理念とする一貫教育を進めている。