家庭直販書『これからの女の子に身につけてほしいこと』は、自由学園女子部部長・近藤正美先生が、これからの女の子に必要な「率先力」「責任感」「実行力」「やさしさ」の4つの力を紹介。その育み方を解説した1冊です。
 

本書の中で近藤先生は、「女の子を育てるにあたって覚えておいてほしいこと」をいくつか挙げておられます。ここでは、その一部をご紹介してまいります。

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●女の子が悪口を言い出したら

女の子は、誰かの悪口で会話が盛り上がっていることが少なくありません。自分の子どもが友だちの悪口を言い出したとき、お母さんはどう対応すればよいのでしょうか。

 

悪口の内容にもよりますが、子どもが「自分は悪くない」「自分は正しい、相手のほうがまちがってる」と思って友だちの悪口を言っているなら、基本的には子どもを受け入れる、子どもの話を最後まできちんと聞いてあげることです。「あなたはそういう気持ちになったのね」「嫌な思いをしたのね」と、子どもを受け入れてあげることが大事です。

 

ひと通り話を聞いたあとで、子どもの言っていることやふるまいが不適切であると感じたり、ひっかかることがあったならば、それは大人の判断として、きちんと子どもに伝えなければいけません。

 

「友だちの悪いところを陰で非難するのはおかしいんじゃないかな」などとお母さんの考えを子どもに伝えたとき、「だけどお母さん……」と子どもは反論するかもしれません。それはそれでよいのです。その反論に対してお母さんが、「だって陰口は気持ちのいいことじゃないでしょう? 面と向かって言えば、友だちも反省して直してくれるかもしれないよ」といった具合に、お母さんの考えを伝えていけばよいのです。お母さん自身が、自分の考えや思いをきちんと子どもに伝えてください。お母さんが黙ってしまったり、一方的にただ受け入れているだけでは、子どもはだんだん図にのり、自分は常に正しいのだと思いはじめてしまいます。
 

中学校1年生くらいまでの間は、自分自身を客観的に見るということが、一般的には難しい時期です。自分中心にしかものごとを考えられていないと、「自分のしたことは悪くない!」と思い込んでしまいます。ですから、お母さんはその都度、子どもの気持ちを受け入れることです。そのうえでお母さんの考えを伝えることを、しっかりと実践していきましょう。

 

●自分の思いを言葉で表現できる女の子に

「コミュニケーションカが大切」といわれますが、それはどのようなものだ考えますか。同じ日本語を使っている者同士、そんな単語をもち出さなくても言葉を交わせるのに、なぜあえてコミュニケーションカが大切、と叫ばれているのでしょうか。

 

私は、価値観や意見、言葉、そういった、立場が自分とはちがう人とでもきちんと言葉が交わせる、意見が交わせる力のことを、コミュニケーションカというのだと思います。

 

自由学園では、ものを書く機会を意識して多く設けています。新年の志、夏休みの報告書、一年のまとめ、それぞれの行事の報告書などを書きます。また、毎朝の礼拝のあとに日直が感想を述べるなど、人前で話すという機会も多いと思います。そのためか、自分の考えや意見・思いを上手に話せる生徒が多くいます。

 

自分で責任をもって、どういうことを考えているのかをきちんと話せる、自分の思いを伝えられるということは、とても大切な力です。言葉によるコミュニケーションを大切にする女の子にとっては、格別大切だといえます。

 

家庭で大げさなことをする必要はありませんが、ふだんから自分の意見や思いをきちんと言葉で表現できるように、お母さんが日々上手な聞き役になって、子どもの伝える力を育みましよう。


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【出典】「これからの女の子に身につけてほしいこと」 (PHP研究所)

 

 

【著者】

近藤正美  こんどう・まさみ
1950年東京都生まれ。1975年に学校法人自由学園男子部に数学教諭として就任。その後、女子部教諭を経て、2009年より女子部部長。「思想しつつ生活しつつ祈りつつ」と「生活即教育」を教育理念とする一貫教育を進めている。