毎日の暮らしにかかわる税金の知識をQ&A形式でわかりやすく解説した家庭直販書『[2013年版]かんたん税金ブック』。本書は、税理士・野村正雄先生のご執筆により、1989年に『暮らしの税金ハンドブック』として発刊し、今回の発刊まで23年にわたって皆様に利用いただいています。このこでは「内職やパート収入で配偶者控除はどうなる?」というケースです。
 

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夫は会社員です。家計の手助けに内職をしているのですが、夫の配偶者控除を受けられるでしょうか? 年収は92万円です。また、パート収入の場合はどのような扱いになるか教えてください。

 

まず結論から申し上げますと、こ主人の配偶者控除が認められますのでご安心ください。

 

■パート、内職の所得金額はどうやって求めるの?

パート等の収入であれば給与所得として最低65万円の給与所得控除が認められますが、内職による収入は家内労働者による事業所得となり、原則としてその年の収入金額から必要経費を控除して所得金額を計算することになります。

下記の計算での所得金額が38万円以下であれば、ご主人の配偶者控除が認められます。

 

◎パートの場合⇒「給与所得」になる

[所得金額]=[収入金額]-[給与所得控除](最低65万円)

 

◎内職の場合⇒「事業所得」または「雑所得」になる

[所得金額]=[収入金額]-[必要経費]※

※実際の経費で計算します。ただし、65万円に満たない場合は65万円とします(家内労働者、外交員などに限ります)。

 

すなわち、配偶者控除として適用されるかどうかの判定は、収入金額が38万円プラス65万円(最低必要経費)の103万円を超えるかどうかが境目になります。つまり、内職収入もパート収入も、年収103万円以下(1月1日~12月31日)であれば控除の対象となります。子ども、親などの扶養控除の判定も同じです。なお、公的年金の収入がある場合は、計算が異なります。


【計算例】
   

内職収入92万円 - 最低必要経費65万円 = 27万円

→38万円以下につき配偶者控除が認められる

 

■年間103万円のラインに注意!

年収103万円の判定は、手取り金額ではなく1月1日~12月31日までの税金や社会保険料等が引かれる前の給与、賞与の合計額です(通勤手当など非課税金額は除く)。
上記のご質問であれば所得の金額は38万円以下ですので、配偶者控除の適用が認められます。しかし、1年間の収入が、内職収入であろうとパート収入であろうと、103万円(103万円-65万円=38万円)を1円でも超えてしまうと、夫の配偶者控除の適用から除外されることになります。
ただし、100万円を超えると翌年から住民税がかかる場合がありますので、その点も忘れないようにしましよう。

 

 


【出典】 『[2013年版] かんたん税金ブック』 (PHP研究所)

 

【著者】

野村正雄 のむらまさお
1980年、税理士開業。現在、野村会計事務所、(株)野村経営、代表取締役。
団体、法人、個人の税務及び会計、資産運用、経営計画等の相談、税務顧問、監事およに全国で講演活動中。
著書に『暮らしの税金ハンドブック』『かんたん税金ハンドブック(1992年版~2012年版)』『かんたん保険税務のQ&A』『かんたん!らくトク確定申告』『[改訂新版]かんたん相続ハンドブック』(いずれもPHP研究所)他がある。