
お母さんは魔法使い~編集者のつぶやき
ある日、幼稚園でおやつに煮干しが出たときに、どうしてもその頭が食べられず、頭だけこっそり鞄の中に隠しました。
迎えに来た母は、私の様子がいつもと違うことに気づいたのでしょう。
「なんかお母さんにお話することはない?」
「別にないよ……」
「じゃあ、お母さんが当ててあげる。きっと、その鞄の中に秘密があるのかな」
「えっ、なんでわかるの?」
すると母は、
「お母さんは、魔法使いだから」
そう、笑って答えてくれました。
正直に私は、煮干しの頭のことを話しました。
その後、鞄からたくさん出てきた煮干しの頭を見て、叱られたような笑われたような、記憶があいまいなのですが、なぜか、その「お母さんは、魔法使い」という言葉だけは、今でも覚えています。
母は折に触れ、“魔法使い”となって私を助けてくれました。
母の魔法は、きっと私のことをいつも気にして見守ってくれていたから、私に“かける”ことができたのだと思います。
子どもは言葉にできない気持ちを、動作や表情で必ず伝えています。
今号の『PHPのびのび子育て』3月号のテーマは“子どもの心は「しぐさ」でわかる!”。
ぜひ、参考にしてもらえると嬉しいです。
(郁)
※「PHPのびのび子育て」は、毎月10日発売です。