
めんどくさくない味噌汁~PHPのびのび子育て編集者のつぶやき
眠い目をこすり、あくびをしながらアサリを水で洗い、塩水につけて砂抜きをする。
その間、にぼしで出汁をとり、トントンとネギをきざむ。
そう。味噌汁を作っているのです。
面倒くさがりで掃除も洗濯もマメとは言いがたい。
そんな僕の朝の食卓に、どうして常連のように味噌汁が?
ふと手を休めて視線は換気扇へ。
――そうか。
はじまりは小2の料理の授業、その前日。
不器用だけど心配性で見栄っ張りだった僕は、母と一緒に予習をしたのでした。
そのときの様子を事細かに覚えていないけれど、
当初の腕前は人並み以下であったことに疑いはありません。
それにただでさえ苦手なことです。
自分で頼んでおきながらきっとふて腐れていたはず。
もしかすると半べそをかいていたかもしれません。
でも、横で見守るコーチは、
急かさなかった、あきれなかった、嫌な顔もしなかった。
絶対に。
もし、少しでもそうであったなら、僕はきっと料理を嫌いになったから。
今でも包丁を手に取るのは、
辛抱強く、時にほめながら、優しく声をかけてもらったから。
今でも帰省して味噌汁をすするたびに、安堵とかけらほどの悔しさがこみ上げるのは、
年季と経験値が違うからです。たぶん。
『PHPのびのび子育て』8月号のテーマは「早く! をやめると自分でできる子に育つ」です。
大人になってからも続けられるものは、案外、ふて腐れている顔を親が見守ったものだったりするのです。
(朋)
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