
長年の疲れは、病気のひとつです!~堀 史朗先生『「累積疲労」がスッキリとれる本』
不快な症状に苦しんでいるのに、検査をしても異常が見つからず、挙句の果てには「病気じゃないんだから……なまけているんじゃない?」と周囲から見られてしまう……。その結果、体も心も疲れ果てている女性が増えています。
『「累積疲労」がスッキリとれる本』の著者の堀史朗先生は、診療内科医としてたくさんの患者さんを診察し、長らく決まった病名がなかったこのような原因不明の不調を新しい病気として位置づけ、「累積疲労」と名づけた“名づけ親”です。
原因不明の不調の根本には、ある共通点があるそうです。それは、自分では気づかないうちに体にたまった疲労です。決して原因不明ではなく、長年にわたる疲れによって引き起こされた不調なのです。みなさんの中にも、心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
「疲れなんて、ちょっと休めば大丈夫。時間がたてば、自然にとれる」などと軽く考えず、長年の疲れは病気のひとつだと認識することが大切なのだそうです。そして、今までの生活を見直して、自分の体と心の声に耳を傾けなければ問題は解決しないそうです。
そこで、疲れやストレスに関する本はビジネスマンに向けて書かれているものが多い中、本書ではできるだけ主婦の疲労に焦点に当て、累積疲労の原因から具体的な事例、ひとりでできる認知療法、累積疲労になりにくい暮らし方まで、あらゆる角度から、主婦の疲れについてのアドバイスを掲載しています。
特に事例では、堀先生がこれまで診てこられた累積疲労の方々の症例から、主婦によく見られる下記の代表的な7つのケースを紹介していただきました。「疲れた~」と悩んでいる方は、7つのうちのひとつもしくはいくつかについて、“私はこれだ”と当てはまるものがきっとあることでしょう。
ケース1 ぐっすり眠れない(寝不足による累積疲労)
ケース2 育児と介護のダブルパンチ(寝不足による累積疲労)
ケース3 定年後、夫がずっと家にいる(ストレスによる累積疲労)
ケース4 家族のためにがんばりすぎ(寝不足による累積疲労)
ケース5 子育て中でも外で働きたい(寝不足、対象喪失による累積疲労)
ケース6 思うようにならないストレスを抱えている(ストレスによる累積疲労)
ケース7 姑との関係に悩んでいる(ストレスによる累積疲労)
ご自身に思い当たるケースはありましたか?
ひとつでも当てはまったケースがある人は、これらのケースに対するセルフケアによって累積疲労から脱出する方法を紹介していますので、ぜひ対策をとってください。
どんなに疲れていても、凹んでなんていられない毎日。本書を読んで、ぜひ「どうして疲れがどれないの?」の答えを見つけ、脱「累積疲労」生活の手がかりをつかんでください!
(PHP研究所 教育出版部)
出典:『「累積疲労」がスッキリとれる本』 (PHP研究所)
【著者】
堀 史朗 ほり・しろう
医学博士。山口大学医学部および同大学大学院博士課程修了。アルバートアインシュタイン医科大学、ペンシルベニア大学医学部、ジョージタウン大学医学部に留学。帰国後、東京慈恵会医科大学附属病院、板橋中央総合病院勤務を経て、東京・恵比寿に「エビス心療内科」を開業。ストレスに悩む幅広い年齢層の人々を診察するなか、原因不明の不調を「蓄積疲労」と名付け、治療にあたる。