わが家の日常生活は「海外」とは無縁です。生活に英語が飛び交う場面もなく、夫婦そろって英語が必要とされる仕事をしているわけではありません。海外旅行に頻繁にでかけることもなく、洋楽を好んで聴くわけでもありません。
 

 

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子どもたちには本当に申し訳なく思うのですが、家庭環境はまったくグローバルではありません。そんな環境に育った子どもたちがはたして今後社会に出て活躍できるのだろうかと考えてみると、私の頭には少々疑問符が浮かんでくるのです。


こんな環境に育つた長男は、やはり高校生までの間は「海外なんて行かないよ、一生日本だけでいい」と言い切っていました。ところが大学に入学し、周りに「海外へ飛び出していく」人がたくさんいたことに触発され、いつのまにか海外旅行へ出かけるようになりました。


案ずるより産むがやすし。
 

海外なんて大丈夫か? と心配する親をよそに、本人は「行ってみたら大したことはなかった」と語ります。
 

親として反省すべきことは、自分たちの基準で「海外なんてムリムリ」と子どもを無意識に押さえ付けていたことでしょう。彼が旅行で得たものは、未体験の事象に一歩踏み出してチャレンジしょうとする意欲です。不安なこともあったでしょうが、不安を自分自身で乗り越えた経験が自信となったようです。それは今後の財産となるでしょう。
「海外」は、日頃接点がない人にとってはその実態がわからないだけに、不安に感じることも多いはずです。しかしこれからの時代、避けて通るわけにはいきません。
 

だとすれば、家庭では今のうちから、「勇気を持って一歩踏み出せば、きっと何とかなる」と話しておくべきでしょう。踏み出す勇気のない親が、「あなたにはムリ」と足を引っ張っていてはいけないのです。

 

 



出典:『高校に入る前に親がしてはいけない82のこと』 (PHP研究所)

 

(著者)

秋田洋和 あきかひろかず

教育クリエイター。首都圏大手進学塾数学科責任者などを経て、2005年独立。
「こわれた数学治します」をキャッチフレーズとして多方面で活動中。中学生対象の数学指導のほか、月刊誌『高校への数学』(東京出版)でのメイン記事連載、高校入試問題の解答解説執筆、私立中学校のコンサルティング、自治体が行なう公立中学生向けの各種講座への協力、保護者向け教育関連記事連載など幅広く活躍。二人息子の父親でもある。
著書に『仕事の9割は数学思考でうまくいく』(あさ出版)、監修書に『中学生の成績が上がる! 教科別「勉強のルール」最強のポイント65』(メイツ出版)がある。