子育て期間中も子どもが無事に大学を卒業したあとも、子どもも親もずっと幸せに暮らすためには、大切なお金をどのように扱えばいいのでしょうか? 氏家祥美先生『子どもの年代別 大学に行かせるお金の貯め方』から転載でご紹介します。

 

 

教育費準備のご相談を受けていると、
「高校まではずっと公立へ行ってほしい。大学も自宅から通える国公立だとありがたいけれど、大学くらいは私立でもOK。22歳で大学を卒業したら就職ですね」
というように、とても美しいライフプラン表が出来上がります。
 
理想の未来をイメージしながら作成するので仕方がないことではありますが、実際に子育てを終えた人に話を聞いてみると、とんとん拍子に進むことばかりではないことがわかります。ある程度の「想定外」があっても乗り越えられるように、教育費は余裕を持って準備しておきましょう。
 
子どもが「中学受験をしたい」と言い出した
 
ある日突然、子どもが「中学受験をしたい」と言い出したらどうしますか?
親としては全くその気がなくても、「仲のいい子が塾に通っているから私も行きたい」「○○ちゃんと一緒の学校に行きたいから受験したい」と子どもが言い出して、受験をするようになった家庭はよくあります。中学校から私立に通うと、その後大学卒業まで合計10年間私立へ進む可能性が高くなります。
 
 
高校受験に失敗して私立高校へ
 
公立高校に進学予定が、やむなく私立高校に進学するという可能性もあります。義務教育の小学校や中学校は、「私立に行かせたい」という強い意志がある親子が私立を受験しますが、高校や大学は受験に受からないと「国公立」に進学することができません。高校への進学率は現在98%(定時制・通信制を含む)に達していますが、このうち30%が、好むと好まざるとにかかわらず私立高校へ進学しています(文部科学省「学校基本調査」平成24年度)。
 
また「子どもの学習費調査」(文部科学省平成22年度)によると、公立高校の教育費(学校外活動費含む)は1年あたり39.3万円、私立高校では1年あたり92.3万円です。1年間で53万円、3年間では159万円の差となるため、大学入学のために蓄えておいた資金を高校で半分使ってしまったということになりかねません。私立の場合は、学校によっては学校指定の制服が高価だったり、修学旅行で海外に行ったりと思いがけない費用がかかることもあります。
 
教育費プランに「浪人」を組み込んでいる人は見たことがありませんが、必ずしも現役で希望大学に合格できるとは限りません。それは、「1浪して大学に入った」という大人の数を見れば明らかです。「浪人」のリスクヘの覚悟も必要です。
浪人をすると、予備校代が年間50万~70万円程度かかるほか、受験料などももう1年分かかります。予備校に通うために自宅を離れて寮生活を始める場合には、その分の費用もかかるでしょう。
 
 
 
大学院への進学
 
子育て中の方のほとんどが、「子どもは大学まで進学させたい」と言って教育費準備を始めますが、大学を卒業後はすぐに就職するプランを立てています。
文部科学省の「学校基本調査」によると、大学を卒業してから大学院に進学する人の割合は、13.8%(平成24年度)。特に理系の大学院進学率が上位を占めることから、理系へ進むと大学院へ進学する可能性が高いことを覚えておきましょう。
 
 
 
 
【出典】 『子どもの年代別 大学に行かせるお金の貯め方』 (PHP研究所)
 
 
【著者】
氏家祥美 うじいえ・よしみ
ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー。立教大学卒業後、旅行代理店、専業主婦を経てファイナンシャルプランナーの資格を取得。女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」の代表となる。All About「女性のためのお金入門」ガイドを務めるほか、女性誌にも多数登場。仕事や家族の暮らしにも目を配ったライフプランの作成と家計の見直しが得意。2児の母でもある。
監修本に『手取りが減った人のお金のルール』(主婦の友社)などがある。
 
 

 
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