子育て期間中も子どもが無事に大学を卒業したあとも、子どもも親もずっと幸せに暮らすためには、大切なお金をどのように扱えばいいのでしょうか?氏家祥美先生『子どもの年代別 大学に行かせるお金の貯め方』から転載でご紹介します。
 
 
 
 
 
「いとしいわが子の才能を伸ばしてあげたい」
愛情あふれる親であれば、そう思うのは当然のことでしょう。
 
そんな思いから、お子さんが日本語を話し始める前から英会話教材を買いそろえたり、幼稚園に行く前から幼児教室に通ったり、通信講座を取り始めたり。程度の差こそあれ、身に覚えのある方は大勢いるのではないでしょうか?
 
不思議なもので、赤ちゃんの頃に「英語」「英語」と言っていた家庭でも、小学校に上がる頃にはすっかり英語熱が冷めているというケースは、少なくありません。我が家もそんな家庭のひとつで、キッズ用の英語ビデオや英語学習ソフトが押し入れに何本も眠っています。
 
どんなに小さい時にお金と時間をかけて頑張っても、本当に必要な時まで継続していないと、早期教育には意味がないと痛感しています。
 
早期教育ブームで、子どもに早いうちから教育費をかける家庭が増えていますが、実は幼稚園に入る前と、小学生の間は貴重な教育費の貯め時です。中学生以降は中学3年、高校3年、大学4年と計10年間連続で教育費がかかり、息をつく暇もなくお金が出ていきます。
 
この10年間、どこから私立に行くかが大きな分かれ目になります。ずっと公立に行くのであればいいのですが、一度私立に行くとその先は基本的にずっと私立に進学すると思ったほうがいいでしょう。中学校から私立に行けば10年間は私立、高校から私立ならば7年間、大学から私立ならば4年間、教育費の高い私立に進学することになります。
 
時折、中学から私立で大学だけ国公立に行ったというお子さんもいますが、国立大学・公立大学の学生数は全大学の学生数の26.5%。大学生の4人に3人は私立大学に進学しています。教育費のことを考えるなら、一度私立を選択したら、そのあとはずっと私立に行く前提で、マネープランを立てておくのが賢明です。
 
つらい現実もお話ししておきましょう。
 
企業の景気が悪化すると、ボーナスが大幅カットされたり、場合によっては職を失ったりと、予想もしないことが起こります。そうした時に、暮らしに大きくのしかかるのが、無理して組んだ「住宅ローン」と、子どもの「教育費」です。
 
食費やレジャー費は目先のやりくりで多少減らすことはできますが、毎月決まって出ていく「固定費」の割合が大きいと、暮らしを大きく圧迫します。状況によっては、「家を売るしかない……」「私立学校を退学するしかない……」という事態にもなりかねません。
 
経済的な理由で私立高校を中退した生徒は、調査対象となった全国340校の中で110人。1校あたり0・32人が中退しています。また、3カ月以上学費を滞納した生徒の数は、340校中1194人で、1校あたり3・5人にもなります(全国私立学校教職員連合組合、2011年度)。リーマンショックの翌年2009年3月までの調査では中退者513人、学費滞納が1887人いたことを考えると、ずいぶん改善はしてきていますが、もしも我が家が……と想像するとできる限り避けたい状況です。
 
経済的な理由での中退や転校は、親にとっても子どもにとっても精神的にも厳しいものがあります。教育費は、最初に私立大学への進学を視野に入れて大学費用を準備して、高校・中学と逆算しながらだんだん目先のことを考えるようにしましよう。
 
 
 
 

 

【出典】『子どもの年代別 大学に行かせるお金の貯め方』 (PHP研究所)

 
 
【監修者プロフィール】
 
氏家祥美 うじいえ・よしみ
ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー。立教大学卒業後、旅行代理店、専業主婦を経てファイナンシャルプランナーの資格を取得。女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」の代表となる。All About「女性のためのお金入門」ガイドを務めるほか、女性誌にも多数登場。仕事や家族の暮らしにも目を配ったライフプランの作成と家計の見直しが得意。2児の母でもある。監修本に『手取りが減った人のお金のルール』(主婦の友社)などがある。
 
 

 
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