内田賢司著『1分で大切なことを伝えるお母さんの「話し方」』(家庭直販本)からの転載第二回。「しっかり伝われば子どもは伸びる」をご紹介します。
 
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子どもが何か失敗すると、親はつい、怒ってしまいます。怒ると子どもは怯え、次は失敗しないようにしよう、怒られないようにしようと、どんどん萎縮していってしまいます。
 
中には鬼コーチのような感覚で、怒ることによって子どもを発奮させようと考える人もいるかもしれません。つまり、“励まし”の手段の一つとして怒っているのですが、これまでにも見てきた通り、親の思いをただ一方的に押しつけるだけでは、子どもに「がんばってほしい」という本当の意図を伝えることはできません。
 
 

失敗した時こそ成長のチャンス

 
こんなシーンに覚えはないでしょうか。
朝食のとき、子どもがみそ汁のお椀をひっくり返し、着替えたばかりの学校の制服を汚してしまいました。忙しい朝の時間です。お母さんの怒りは瞬時に沸点に達し、
「何やってんのよ! ぼーっとしているからでしょ! 気をつけなさい!」
と思わず怒鳴ってしまいました。
しかしそれで、子どもはみそ汁をこぼさなくなるでしょうか?
ここは怒りをぐっとこらえて、まずはトラブルを処理しましょう。そしてそのあと改善策を提案します。さらに失敗を子どものせいだけにせず、「お母さんも反省するね」と前向きにとらえ直す気持ちを示せればさらに上出来です。
 
母「大丈夫? やけどしなかった?」
子「大丈夫」
母「じゃあ、おみそ汁がかかったところを拭こうか。タオル絞ってくるね」
子「制服が汚れちゃった」
母「朝ごはん食べてから着替えたほうがよかったかな。これからはそうしようか」
子「うん、そうする」
母「お母さんもそこまで考えてなかったわ。勉強になったよ」
 
自分の失敗に対して、叱責や批判されるのではなく、対策を考え、勉強になったとまで言ってもらえれば、子どものバツの悪さは解消され、これからは気をつけようという意識が自然と芽生えます。
怒鳴っただけでは、子どもは早くその場から逃げ出したいという気持ちばかりが強くなり、反省よりも恐怖が先行します。
 
失敗したときに親がどんな態度をとるかで、子どもの精神的な成長が左右されます。
怒られ、親に怯えてしまえば失敗を隠そうとします。そうではなく失敗から何かを学ぶように促していけば、挑戦意欲が育ち、失敗を恐れない前向きな精神が身につくようになるでしょう。
子どもが失敗したとき、親が本当に伝えたいのは、そういう心の強さなのではないでしょうか。
 
 
 
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【出典】
内田賢司 著・家庭直販本
子どもの集中力は1分が限度。言いたいことはギュッと短く、わかりやすくまとめましょう。叱る、ほめる、励ます等、目的に合わせて“しっかり伝わる”話し方を紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【著者紹介】
 
内田賢司(うちだ・けんじ)
「話し方研究所」代表取締役。
人の心と表現、行動に興味を持ち、コミュニケーション教育の講師となる。身の回りで起きた出来事を臨場感たっぷりに話すことを得意とし、聞く人を惹きつける講義で受講者の人気を博している。また、一般社団法人女性企業家支援協会やウーマンブレインなどの女性支援団体でも講師を務め、女性の社会進出や育児サポートに積極的に関わっている。
主な著書に『好かれて尊敬されるあの人の聞き方・話し方』(明日香出版社)、『たった20秒! “あッ”という間の説得術』(アーク出版)などがある。