「気を付けてね」「こぼしたらダメよ」......こんな一言が、子どものチャレンジ精神を奪っているかも!?ここでは、野村ひろこ先生の『子どもの「やる気」を奪うお母さんの話し方』の一部をご紹介します。

 

 

子育てしているお母さんは、子どもの失敗にとても敏感です。

 

手洗いの際、洗面所を水びたしにしてしまったり、マグカップに入っていた飲みものをこぼしてしまったり、振り返ればたいしたことのないできごとでも、その瞬間は烈火のごとく怒ってしまい、子どもの寝顔に向かって「ごめんね」とあやまるお母さんもいるのではないでしょうか?

 

大人はうまくいかなかったことをなんでもかんでも「失敗」といいますが、実は子どもと大人では失敗のとらえ方が違うことが多いのです。

 

私がそう考えるようになったのは、ある男の子の言葉からでした。

 

「ぼくは失敗と思ってないのに大人は失敗というから、失敗したことになる」というのです。私はびっくりし、本当にそうだなぁ、大人が失敗という考えを押しつけているなぁとつくづく感じました。

 

大人が失敗したらどうしようと心配しても、子どもは不安に思ったりしていないものなんだと思います。失敗を不安に思っているのではなく、大人の反応に不安を感じているのです。

 

さて、この本を読んでいるお母さんにお願いがあります。 子どもが飲みものを手にする前から、「こぼしたらダメよ」 といってしまっていませんか。飲みものをこぼしたとき、いつもお母さんが失敗といっている可能性もありますよね。

 

「気をつけてね」「こぼしたらダメよ」といわれることで子どもは緊張して、こぼしてしまうことが多いのです。

 

チャレンジできなくなってしまいますので、あまり失敗、失敗と暗示をかけないようにしましょう。

 

小学校に入るころになると、子どもも恥ずかしい気持ちやかっこつけたい気持ちが出てきますから、失敗といわれることを嫌がるようになります。そうすると、失敗を隠すこともあるかもしれませんね。

 

そんなときに 「どうして失敗するのよ!ダメじゃない!」と頭ごなしに否定することは禁物です。失敗したことを悔しいと思い、次は失敗しないようにがんばろうとする子どものやる気まで奪ってしまいます。

 

たとえば、「できないことは誰にでもあるよ。お母さんだって、できないことはたくさんあるし、失敗もしているんだよ。この前もお買いものに行くときにお財布を忘れてね、なにも買わずに帰ってきたの」と、お母さん自身の失敗談を披露するのもいいと思います。お母さんが子どものころに、できなかったこと、恥ずかしかったことを話すのもいいですね。

 

子どもにとってお母さんは、なんでもできるスーパーマンのような存在です。そんなお母さんでも失敗することがあるんだとわかると子どもは安心し、気持ちが楽になります。そして、やってみたいという気持ちになるのです。

 

このようなコミュニケーションを「マイナス共感メッセージ」といいます。マイナスを共感することで 「やらないといけない」から「やってみたい」というように気持ちが変化します。

 

親子の場合なら、前述したようにお母さんが自分のマイナスの体験を話し、それを子どもが共感することでお母さんを近い存在に感じます。そして信頼がより高まるのです。また子ども自身も自分の気持ちを素直に話すようになり、失敗を隠すこともなくなると思います。

 

失敗はたくさんのことを学ぶチャンスです。失敗することでわかることがあります。

 

失敗したことで、次はどうすればうまくいくのかを自分で考える力も身につきます。失敗を恐れず挑戦する大人に育っていきます。

 

「失敗してもOK!」と思えるくらいの気持ちで、子どもの成長を応援してみてください。

 


 

【本書のご紹介】

 

 

子どもの「やる気」を奪うお母さんの話し方

 


『子どもの「やる気」を奪うお母さんの話し方』

子どもがチャレンジするとき、応援しようと口を出してしまいがち。その言葉の中には、やる気を奪ってしまうものも。やる気と自信を引き出す言葉がけをワークを交えて紹介しています。
※家庭直販書です。一般書店では販売していません。


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【著者紹介】
野村ひろ子 (のむら・ひろこ)
日本エンパワーメントコーチング協会代表。カウンセラーコーチ・SST英語塾代表・アドラー心理学講師・CAP(子ども暴力防止プログラム)スペシャリスト。
保育士として4年勤務する。結婚して退職。その後、一男一女の母となり小学校のPTA会長を経験。その間ユニークな指導で人気を博したピアノ講師を12年間務める。その後1996年より11年間は兵庫県三田 市議会議員として活躍する。2010年に「日本エンパワーメントコーチング協会」を発足、代表に就任する。オリジナルのテキスト講座をはじめ、教育機関・企業・市役所などで講座・講演会も精力的に行う。また、厚生労働省認可緊急人材育成・就職支援基金訓練講座「心理カウンセラー養成講座」を開講し、講師の育成にも努める。2014年、イライラから笑顔に変える親子のための「ユニバーサルサイン講座」をNPO法人生活支援サインと提携し、活動を行なう。
著書に『子どもがぐんぐん"やる気"になる会話のコーチング5つの法則』(プレジデント社)がある。