その一言が、知らないうちに子供を傷つけているかも?『言ってはいけない! 親の「ひと言」』より、子どもが傷つくひと言と、その理由、対処法をご紹介します。

 

ちゃんと言って

 

5歳のわたる君か、友だちと公園て遊んでいます。お母さんは、ママ友とおしゃべりに夢中でした。しばらくすると、わたる君が、泣きなからお母さんのそばに来ました。

 

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わたる君は、転んですりむいた痛さと血が出てきたことへの驚きで、お母さんに助けを求めてきました。痛さと驚きを何とかしてもらいたかっただけなのでしょう。ところが、お母さんから質問攻めにされてしまいます。何とか、答えようとするのですが、半分パニックのような状況で、上手に説明することはできません。

 

お母さんも、半ベソをかいてけがをしているわたる君を見て、たぶんパニックのような状態になってしまったのでしょう。目の前で泣いているわたる君よりも、どうしてその状態になったのかを追及してしまいました。ところが、うまく説明できないわたる君からは、答えが返ってきません。ちょっと、イライラしてしまったのでしょう。

 

子どもが思いもかけないことをしたときに、目の前で困っている子どもの姿を通り越して、その状況に至った経緯を知りたくなります。それがわかると、次に自分がどう行動したらいいのか、判断できるからです。しかし、知っている言葉の数も少なく、話を組み立てることも難しい子どもにとって、できごとを時系列で話すのは至難の業です。半ベソをかいているような状態だと、ますますどう言ったらいいのか、わからなくなります。子どもは、追及の手を逃れようと「わからない」とか「知らない」と言います。言いたくても、ちゃんと言えない状況になっているからです。

 

解決策1:パニックになったら、落ち着くまで見守る

 

子どもが泣いて、何を言っているのかわからないようなパニックになってしまったら、周りが何を言っても子どもには伝わりません。「泣くのをやめて」とか「落ち着いて」といった言葉を重ねれば重ねるだけ、火に油を注ぐようなものです。子どもが小さければ、膝の上に乗せて、背中をさすりながら泣きやむのを待ちましょう。

 

解決策2:聞き役に徹する

 

子どもが思いもかけないようなことをしたときに、質問攻めにしてしまうと、子どもは親のその勢いに戸惑ってしまいます。そして、ごまかそうとしたり、ロを閉じてしまいます。どうしてそうなったのか知りたいときには、子どもが話すきっかけだけを口にして、そのあとは、聞き役に徹しましょう。子どもが口にした言葉の断片をつなぎ合わせると、状況が把握できることも少なくありません。

 

 


 

【本書のご紹介】

 

言ってはいけない! 親の「ひと言」


『言ってはいけない! 親の「ひと言」』

感情に任せてつい言ってしまう言葉を、子どもはどのように感じ、成長にどのように影響していくのかを、教育学博士・臨床心理士である著者が、事例や対応策とともに紹介しています。
※家庭直販書です。一般書店では販売していません。


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【著者紹介】
小笠原恵(おがさはら・けい)
東京学芸大学特別支援科学講座教授。 教育学博士・臨床心理士・臨床発達心理士。 大学院修了後、都内教育センターで11年間心理士として勤務ののち、現職。 大学勤務の傍ら、知的障害のある学齢の子どもたちの臨床や保育園、小中学校の巡回相談、ペアレントトレーニング等の相談活動を行なっている。
著書に、「うちの子、なんでできないの?」(文藝春秋)ほか。