『[0~5歳]成長にあわせた心と体を育てるあそび』より、三輪車と子どもの運動能力の関係をご紹介します。

 

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2歳から3歳にかけて、運動能力が格段に向上します。走ったり跳んだり、ボールを投げたり、蹴ったり、両足で飛び跳ねたりもできるようになります。ただ、この時期に無理やり難しい動作や激しい運動をさせたりすると、体を動かすこと自体が嫌いになってしまいます。あくまでも遊びながら、体を動かす楽しさや充実感を味わわせてあげましょう。

 

最近気になるのが、三輪車を飛ばしていきなり二輪車を与えてしまう親御さんがいることです。ペダルのついていない二輪車が流行していますが、自転車と同様に余力で前に進むことができるので十分な全身運動にはなりません。三輪車の場合は自分の力でこがないと前に進むことができないし、腕や背筋を使わなければならないので、全身運動につながります。「早く自転車に」という気持ちもわかりますが、体の成長には順番があることを忘れないでほしいのです。ハイハイが歩くための筋肉や体幹の発育にとって重要であったように、三輪車もその後の子どもの運動能力に深く関係します。

 

三輪車は、ペダルをこぐことで脚力や筋肉がつき、乗っているときにはバランスをとるので平衡感覚も身についたりと、目も手も背中もお腹も足も、全身を使う運動ができるのです。また、子どもが自分で運転する乗り物ですから、乗りこなすことによって自信もつき、社会的なルールを知ることもできます。ヨーロッパでは必ず三輪車に乗せることからはじめます。いつまで乗せるかということについては、4歳、5歳でも本人が望むなら乗せてもいいと思います。しっかりと三輪車に乗れるようになったら、二輪車に移行していけばいいのではないでしょうか。

 

体をコントロールする能力が徐々に身につくと、同時に握力もつき、手や指をより自由に使えるようになります。それまで難しかったブロックをはめたり外したりもできるようになります。ボタンを外す、靴ひもを結ぶといった日常的な動作に加えて、楽しく指先を使うあそびlも取り入れてほしいと思います。ブロックをはめたり、外したり、単純な形をつくるといった一連の動作は、子どもたちのやる気を引き出し、自信をつけるという意味でも大切です。私たちは子どもの成長に欠かせない36の基本動作(『[0~5歳]成長にあわせた心と体を育てるあそび』P31)に注目しています。参考にしていただいて、楽しく遊んでください。

 

成長時期とあそびの関係は深く、その時々で遊びながら体得すべき身体能力があります。体を通した体験こそが「なぜ? どうして?」という能動的な行動を生むきっかけにもなります。体を動かすことの楽しさ、友だちとのコミュニケーション、やり遂げた達成感など、あそびを通してたっぷり感じさせてあげてください。

 


 

【本書のご紹介】

 

[0~5歳]成長にあわせた心と体を育てるあそび


『[0~5歳]成長にあわせた心と体を育てるあそび』

子どもの成長過程と、その時々に必要な遊びを紹介。子どもは遊びを通して生きるために大切なことを学んでいきます。成長に欠かせない遊びを知る1冊です。
※家庭直販書です。一般書店では販売していません。


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【著者紹介】
中西弘子(なかにし・ひろこ)

 

1945年大阪府生まれ。帝塚山短期大学卒業後、結婚、子育てを経て1981年ボーネルンド創立メンバーに加わり、1994年社長に就任。バイヤーとして世界中をまわり、生活道具としてのあそび道具を提案。1999年には、子どもから大人、お年寄り、健康な人、障がいのある人、誰もが楽しく遊ぶことのできる遊具「ユニバーサル・プレイシング」を世界に先駆けて提案。2004年には、子どもが遊ぶ時間・空間・仲間の欠如に警鐘を鳴らし、解決方法のひとつとして、親子で遊べる室内あそび場「キドキド」を開発。あそびを通して子どもの健やかな成長に貢献する事業を推進し続けている。