どうしてもものが捨てられない!そんな人は、すべての根本的な基準を「大切にする」に変えてみましょう。

 

 

ものを捨てない掃除

 

わたしがクライアントさんの自宅へ片づけのセッション(相談・アドバイス)に伺ったとき、いちばん最初にやることがあります。それは「ものをまったく捨てない掃除」です。

 

具体的にはこうです。

 

実施場所の範囲を決めて、その場所のものをすべて別の場所に移したあとに、その空間を綺麗に掃除して雑巾がけし、ものをまた元に戻すのです。

 

ものを戻す際も、一つひとつを丁寧に拭いて戻します。今までは捨てられなかったけれど、やっぱりどう考えてもいらないと思えるようなものも、丁寧に拭いて戻します。

 

「もともとものが捨てられないのだから、今日も捨てなくていいので、絶対に捨てることを考えないでくださいね」

 

そうやって、捨てない掃除を続けていくと......。

 

「お願いですから、捨てさせてください!」

 

あれだけ「捨てられない......」と悩んでいた方々が、自らの意思で「絶対捨てたい!」と思うようになるのです。これは本当に、実績100%の事実です(笑)。

 

ものにくっついている想い

 

どうしてそうなるのでしょうか?

 

捨てることを考える前に、「大切にする」という観点でものに向き合うことで、そこにある想いを消化できたことが、自然と手放すことになる理由です。

 

「ものを捨てることができない」と悩んでいる人の多くは、「もの自体」が捨てられないと思い込んでいることが多いのですが、そうではありません。ものが捨てられないのではなく、そのものにくっついている「想い」が捨てられないのです。

 

思い当たることはあるでしょう。他人にとっては、どこにでもあるようなものだったとしても、そこに「想い」があれば、なかなか捨てられないはずです。

 

わたしは何も「あなたの大切な思い出を捨てましょう」と言っているのではありません。捨てなければならないのは、「もったいない......」「やっぱり便利かも......」「また使うかもしれない......」という「想い」です。そうした執着を解消していくことが、片づけに大きな影響を及ぼしていくのです。

 

手あたり次第、大切に

 

わたしが「捨てない掃除」を行なう理由が、ここにつながってきます。最初から何でもかんでもものを捨てるのではなく、「一つひとつを大切に感じていく」という行為によって、そこに付随する「想い」も一つひとつ実感していけるからこそ、それらの中にある「いらない想い」が自然に消化できるようになり、それが結果的に「捨てる」という行為につながるようになるのです。

 

部屋にものが溢れて片づかないと悩んでいる方の多くは、「とにかく捨てたい!」と、捨てることばかりに意識が向いてしまっているのですが、手あたり次第に捨てていくことを考えるのではなく、むしろ「手あたり次第に大切にしていく」と、発想を逆にしてものに向き合っていくと、なぜだか捨てる流れが生まれてきます。

 

「大切にする」という観点で一つひとつのものを見ていくと、たくさんのものを同時に大切にすることができないことにも気づき、その中で本当に大切にすべきものが見えてくるので、それ以外のものが自然と手放されていくのです。

 

あなたもぜひ一度「捨てない掃除」を行なってみてください。最初はまったく捨てなくてよいので、あなたの部屋にあるものを一つひとつ、できる範囲で見つめ直してみる。その中で「捨てたほうがいいな」と感じたものがあれば、これまでのことに感謝しながら手放していきましょう。そうやって繰り返していけば、「自分が本当に大切にしたいもの」がわかるだけでなく、「自分が本当に大切にしたい価値観」も明確になっていきます。

 

直接的には片づけに関係がないように思える「考え方」や「捉え方」を変えていくほうが、結果的にはリバウンドもない、安定した環境を築き上げることにつながっていきます。

 


 

【本書のご紹介】

 

あなたはなぜ、片づけられないのか?

 

『あなたはなぜ、片づけられないのか?』

何度やっても片づかないのは、あなたの考え方が原因です。考え方が変わらないと、同じ状況を繰り返します。空間心理カウンセラーが、片づかない原因を根本的に解決します。
※家庭直販書です。一般書店では販売していません。


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【著者紹介】
伊藤勇司(いとう・ゆうじ)
空間心理カウンセラー、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー、魔法の質問認定講師。引っ越業で働きながら、日本メンタルヘルス教会で心理学を学ぶ中で「部屋と心の相関性」に着目し、現場で観た1000軒以上の家と、そこに住む家族や人との関わりの中から見出された「空間心理」をもとに独自の理論を確立。片付けの悩みを心理的な側面から解決する「空間心理カウンセラー」として2008年に独立。セミナー、講演、セッションは開業以来、約7000名に実施。クライアントは9割以上が女性で、主婦から企業経営者、作家などまで幅広い。「初対面でも安心して心を開ける」と、親しみやすい人柄で支持を得ている。
著書に『部屋は自分の心を映す鏡でした。』(日本文芸社)がある。