
どっちが得?現金vsクレジットカード
お金が貯まって幸せになる選択、あなたはどちらかわかりますか?

◆支払いは、現金でする?クレジットカードでする?
この質問の解説をする前に、もう1つ質問しますね。クレジットカードは、お財布に何枚入っていますか? 1枚だけ? それとも5枚以上? 理想的なクレジットカードの枚数って何枚? 少し考えてみてくださいね。
クレジットカードは、上手に使えば家計管理に役立ちます。支払い明細がきちんと残るからです。しかし、上手に使えないと、たちまち無駄遣い体質にまっしぐら。お金が貯まらないばかりか、借金を背負い込むこともあります。
クレジットカードの落とし穴は、3つあります。1つ目は、生活のレベルを引き上げてしまうこと、2つ目は、手軽にキャッシングできること、そして3つ目は、ポイントがつくことです。
カードに入会すると、銀行口座にお金がなくても、決められた限度額までお買い物をすることができます。懐が温かくなったような気がして、「10万円のスーツを買っちゃおうかな」など、自分の身の丈に合わない、ちょっと上の生活を楽しみたくなってしまうのです。
また、現金がないときは、すぐにキャッシングもできます。言うまでもありませんが、キャッシングは通帳からお金を引き出すのとは違い、カード会社に借金するのと同じこと。当然、返すときは利子がつきます。普通に銀行から引き出せば無料なのに、キャッシングするだけで利子という出費のおまけがついてきます。
そして、一番のくせ者がポイント。ポイントがつくからカードに加入した、という人は多いのではないでしょうか。しかし、ショップカードと同じで、ポイントを貯めたい一心で余計なものを買いがちに。ポイントが貯まるということは、それだけたくさん出費をしているということを、忘れないようにしたいですね。
クレジットカードは、どちらかといえば、家計管理の上級者向けのもの。無駄遣いや買いすぎを制御できる人でないと、上手に扱うことが難しいのです。「自分は家計管理が得意なほうではないな」 と思う人は、現金で払ったほうが無難です。
それでもカードで支払いたい場合は、クレジットカードを検討する前に、デビットカードを使ってみてください。デビットカードは、銀行口座と直結していて、使った分がリアルタイムで口座から引き落とされていきます。口座にお金がなければ、デビットカードは使えなくなります。明細もきちんと残るので、使いすぎを防ぎながら、家計をラクに管理できるのでおすすめです。
実は私は、デビットカード派。現金で支払っていたときよりも、格段に家計管理がラクになりました。毎日の終わりにレシートと明細を照らし合わせるだけで、お金の出し入れをマネジメントできます。すべてのお店でデビットカードが使えるわけではありませんが、一度試してみても損はないと思います。
さて、最初に投げかけた質問、クレジットカードの理想枚数は? の答えですが、ズバリ「2枚」です。それ以上持っていても、使いこなせないと思います。クレジットカードは、最初の年会費は無料でも、次年度から会費がかかるものがほとんどです。入会してからあまり使っていないのに、年会費だけが毎年引き落とされている、なんてことになっていませんか。使わないカードは解約し、年会費の払い損を防ぎましょう。
ところで「2枚」 の内訳ですが、どのお店でも1%以上ポイント還元率があるものをメインにし、よく行くスーパーのカードなど、特定のお店でポイント率の高いものをサブに。この2つを上手に使い分けられたら、完壁です。
【本書のご紹介】
一見お金とは関係なく思えることが、貯まる女と貯まらない女の分かれ道に。自分の生活スタイルをチェックして、お金持ちになろう!
【著者紹介】
花輪陽子(はなわ・ようこ)
ファイナンシャル・プランナー。CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
1978年、三重県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、外資系の投資銀行に入行。OL時代は借金200万円の「貯まらん女」だった。2009年、世界同時不況「リーマンショック」のあおりで、夫婦同時失業を経験。猛勉強の末、ファイナンシャル・プランナーに転身。雑誌、新聞、テレビ等でのマネー監修など幅広く活躍する。現在は生活の拠点をシンガポールに移し、日本と行き来している。一児の母。
主な著書に『貯金ゼロ借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『夫婦で一生に必要なお金がしっかり貯まる本』(PHP研究所)、『30代で1000万円貯める!共働き夫婦のマネー術』(日本経済新聞出版社)などがある。