
私をこき使う舅......どう対処すべき?
困った人に振り回されないための、上手な切り返し方をご紹介します。

◆舅が私をこき使います
Q.
「病院へ連れていけ」「○○を買ってこい」「庭の掃除をもっとちゃんとやれ」と、舅が私をこき使います。舅はまだまだ元気ですし、身体も動きます。自分でできるようなこともすべて私に言い付けるのです。私に用事があっても、お構いなしです。
「そんな用事はたいしたことない」と言って、とにかく自分の身の回りの世話を私にさせようとするのです。
見かねた夫が、「俺がやる」と言っても、舅は「男はそんなことしなくていいんだ!」と言って、とにかく私にやらせようと必死になるのです。
お義母さんが生きている頃はまだよかったのですが、お義母さんが亡くなってからというもの、舅からのあれをやれ、これをやれという攻撃がどんどんひどくなってきてしまいました。この攻撃、何とか止めることはできないでしょうか?
A.
これは、「俺の面倒をみてくれ」という甘えですね。
おそらくは、お義母さんがご存命の頃はお義母さんがお義父さんのこの甘えを、引き受けておられたのでしょうね。
「面倒をみてくれないと、寂しいじゃないか!」ということで、攻撃してきていると思ってみるといいかもしれませんね。
特に男性は、上手に甘えることができません。ですから、相手を攻撃するような言い方で、「言うことを聞け!」という形で甘えてきます。
小さな子どもは、お風呂上がりに自分でタオルで身体を拭くこともしませんし、パジャマを着ることもできません。ですから、裸のまま突っ立っているということがありますね。
でも、大人になってもあれと同じことをやっている男性がいるのを、ご存じですか?
もちろん自分で身体を拭けますし、パジャマも着られます。
でも、「おまえがやれ!」とばかりに、奥さんの前に裸で突っ立っている男性っているのです。
【NG例】
「私にだって用事があるんです!」
「自分のことは、自分でやってください!」
「私は、お義父さんのお手伝いさんじゃありません!」
まったくもってごもっともなのですが、それをそのまま言ってしまうと、虚勢を張っているお舅さんの火に油を注ぐことになってしまいます。
かといって、何でもかんでも言うことを聞いてあげるというのも、自分がしんどくなってしまいますのであまりお勧めはできません。
偉そうな態度だし、怖いけれど、「この人は甘えているのだな」と、そんな目で見るようにしてください。そうすると、上手に扱えるようになってきます。
【OK例】
「えっ!?お義父さん一人で病院へ行けないんですか!?」
「えっ!?お義父さん○○を買いに行けないのですか!?」
「えっ!?お義父さんどこか身体が弱っちゃったんですか? 庭掃除できないんですか?」
名付けて【ビックリしちゃいましょう作戦】です。
偉そうなタイプの人は、「俺は強いんだぞ」「俺はすごいんだぞ」と、虚勢を張っています。
そんな強い人が、そんなすごい人が、まさかこんなこともできないのですか?と、ビックリするのです。
決してバカにするのではなく、ビックリしてあげるというところがポイントです。
これ何かに似ていると思いませんか?
そうです。子育てのときに、「えっ? 片付けられないの?」と言われた子どもは、「僕できるもん! バカにしないでよ!」とばかりに、片付け出しますよね。
あれと同じなのです。
身体が動くのであれば、お舅さんには、可能な限り自分のことは自分でやらせてあげたいですよね。
でも、「私はあなたの世話を焼くのは嫌です」とか「自分でやりなさいよね」と言ってしまうと、お舅さんの面倒をみてもらいたいという甘えたい気持ちが満たされないので、逆鱗に触れてしまうことにもなりかねません。
上手にビックリしてあげましょう。
「まさか! あなたほどの人が、私に甘えてくるはずないですよね?」と接することで、自分のことは自分で可能な限りやってくれるようになりますよ。
【本書のご紹介】
毒親、舅姑、友人、ママ友、同僚やご近所、夫等、“近くにいるからこそより厄介な人たち”からの攻撃を巧みにかわすテクニックが満載!
【著者紹介】
大門昌代(だいもん・まさよ)
カウンセリングサービス所属カウンセラー・神戸メンタルサービス所属トレーナー。2005年よりカウンセラーとして活動、大阪を中心に東京、名古屋、福岡にてカウンセリング、カウンセラー養成講座、ワークショップを開催。自身の経験をもとにしたわかりやすいレクチャーが支持を得る。カウンセリングや講座、講演では「誰にでもわかりやすく」をテーマに、日常生活に役立つ心理学を目指して活動している。100人規模のグループセラピーをリードするトレーナーとしても活動する実践派である。