子どもが自分で考えて行動する、その原動力になるのが自己肯定感です。自己肯定感を高めるために、親が気を付けるべきことはなんでしょうか。

 

 

自己肯定感を高めるために

 

子どもが自ら「考える力」を発揮するためには、「自分の頭で考えていいんだ」「自分で考えたことを実行していいんだ」という気持ちが、子どもの心のなかに生じている必要があります。言い換えれば、子どもが「自己肯定感を持っている」ということです。

 

ところが、この自己肯定感に関して、親御さんたちのなかにある種の誤解があるように私には感じられます。というのは、子どもの自己肯定感を高めるためには、「この子が何かを上手にできるようになる必要がある」「何かこの子が得意なことを作ってあげなければならない」と考えておられる節があるからです。

 

「上手にできる」―これが親の尺度や世間の価値観からくるものなら、いくら「上手に」できるようになっても、子どもの自己肯定感は高まりません。本人にとっては、外側の価値観から評価を下されただけであって、自分の内側から出たものを認められたことにはならないからです。

 

「上手にできた」「上手にできない」と評価を下す前に、まずはその子がその子らしさを発揮していることに気づいてそれを認めること。また、その子がその子らしさを発揮できる場面や機会を作ってあげることのほうが大事です。

 

「子どもの自己肯定感を高めるためには、もっとほめたほうがいいのでしょうか?」という質問をいただくこともよくあります。

 

ほめることがけっして悪いとは思いませんが、親の目から見てよくできればほめる、さらにできるようになったらまたほめる、ということを繰り返していくと、結局子どもの関心は外からの評価、親がほめてくれるかどうかに向かいます。ほめられるとたしかに悪い気はしないかもしれませんが、あくまで生殺与奪の権を握っているのは親であり、いつまでたっても子どもが自分で自信を持つことはできません。つまり、ほんとうの自己肯定感は生まれないのです。

 

「この子の自己肯定感を高めなければ」という思いは、裏を返せば「今のあなたに私は満足していない」という親からのメッセージになります。親が自分の理想像を子どもに実現させようとするのではなく、その子が持っている性質や資質をそのまま認めて、そのすばらしさを肯定するまなざしが必要だと思います。

 


 

【本書のご紹介】

 

子どもの考える力をぐっと引き出すお母さんの話し方

 

『子どもの考える力をぐっと引き出すお母さんの話し方』

頭のいい子は、ワクワクするような体験と、お母さんの言葉で育つ! 本書では「失敗を乗り越える力」「とことん考えることを楽しめる力」が身につく接し方を紹介します。
※家庭直販書です。一般書店では販売していません。


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【著者紹介】

未来奈緒美(みき・なおみ)

2007年より虹色教室をはじめる。教室運営の傍ら、工作やブロック、算数などのワークショップをとおして子どもたちに自分の頭を使って考えたり創造したりする楽しさを広める活動をしている。