定年後も働く?それとも早めに退職してのんびり過ごす?......幸せになれるのは、一体どちらなのでしょうか。

 

定年後

 

忙しいほうが幸せ?

 

寿命が長くなり、その分だけ老後も長くなりました。定年で仕事を辞めても、まだまだ十分に働ける、元気な方も多くおられます。

定年を過ぎても体力や気力があるうちは存分に働き、体に不都合が生じてきたり事情が変わるなど、働くことが難しくなってきてから仕事を辞めたとしても、時間はまだまだ残されています。

実は、体力や気力があり余っているときに、「時間を有意義に使っている」と感じられるような過ごし方をするのは、意外と難しいのです。

60歳以上の570名に聞いた、「寂しさ・不安に関するアンケート」では、「退屈だと感じる時間が1日に2時間以内」という人には、寂しさや不安が少ないことがわかりました。

つまり、退屈な時間があることが、不安や悩みを感じる原因になるのです。

もちろん、子や孫の支援や、ボランティア活動、趣味、サークル活動、地域活動、旅行、ウォーキング、体操教室、畑仕事、庭仕事などの好きなことで忙しくしているのなら、退屈だと感じることはないでしょう。

ですが、お金の問題もあります。好きなことに好きなだけお金を使えるという人は、決して多くないと思います。

それならば、現役で仕事を続ける、アルバイトをする、有償ボランティアに参加するなどの方法で、年金以外の収入を得るようにすれば、退屈だと感じる時間を退治することができ、なおかつ、好きなことに使うお金も得られて、一石二鳥です。

「好きなことに使うために働いているんだ」と思えば、仕事もより楽しく思えるでしょう。

実際、楽しみにもなる仕事を見つけて有意義に過ごしている方もおられます。

 

お店の服の仕立て直しをやっている。仕事をやっていることが、元気の素もとである。みんなと話しすぎて声がかれることもある。主人が亡くなっても、みんなが支えてくれて、悲しい気持ちを忘れつつあるくらいだ。 (70代前半 女性)

 

6年前には妻、2年前には娘に先立たれたが、現在もときどき仕事をしている。仕事仲間で畑を借りてやっている。これが元気の素かもしれない。(70代前半 男性)

 

夫が亡くなり、3年間は落ち込んだが、4年前より保育所で夕方7時までの仕事をするようになった。子供たちと触れ合うことが役に立ったのか、今は、まったく元気だ。(70代後半 女性)

 

もちろん、「ずっと仕事ばかりやってきたから、もうあの厳しい仕事や通勤を経験したくない」という話もよく耳にします。人によっては、40年以上も働き続けてきたのですから、無理もない話です。

同様に、「しっかりとした貯蓄と年金を確保したから、もう遊んで暮らせるので、退職後の暮らしをエンジョイしたい」という考えも理解できます。そうした暮らしも否定するつもりはありません。

ただ、医師の立場からは、健康面から考えても仕事を続けるほうがよいと、お伝えしたいのです。

 

 


 

【本書のご紹介】

 

9784569767390.jpg

 

『老後のホンネ、幸せなのはどっち?』

著者:辻川覚志(医学博士)

 

老後はひとり暮らしの方が、満足度が高い!? 独自アンケートでわかった高齢者の「リアル」をもとにした、老後を快適にするヒントが満載。