忙しい子育て世代。シニア世代はどれだけ手助けをすれば良いのでしょうか。

 

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祖父母の支援がなければ、子育てが難しい時代

 

今、子育てをしている世代の方々の多くは共働きをしていて、想像を絶するような多忙な毎日を送っています。

共働きをしながら子育てをしている30代後半の女性のアンケートの回答です。

 

2歳になる子供がいて、現在は妊娠中である。自分自身にも仕事があるが、夫は夜遅くまで仕事をしているので、子育てを手伝ってもらえるような状況ではない。2歳の子がもし病気になったりすれば、別に住んでいる親の手助けがなければ、到底、暮らしていけない。両親の支援は、絶対に必要だ。(30代後半 女性)

 

こうした訴えをされる方はとても多いのです。

どんな支援が必要なのか、もう少し具体的に考えてみましょう。

たとえば、子供が小学校に上がる際、保育園は3月末で終わります。小学校がはじまるのは4月から、入学式は卒園から1週間くらいあとになることが一般的です。

両親のどちらかが仕事を休むことができればよいのですが、なかなか難しいのが現状でしょう。そうなると、学童保育などを探す必要が出てきますが、条件の合うところが見つからないことも少なくありません。

 

現代の子育て世代は、こうした困難を抱えながら暮らしています。

そして、どうにもならないということになると、多くの場合、母親が仕事を辞めざるを得なくなるのです。

今は、女性の社会進出も進み、子育て世代であっても、夫と同様に仕事に打ち込む女性も多くなりました。しかしそれは、両親とも働いていないと経済的に厳しいという事情の裏返しでもあります。

国も子育て支援の充実を進めてはいますが、制度も施設もまだまだ圧倒的に足りていないというのが現状です。

子育てと仕事に追われている若い世代には、祖父母の支援が欠かせないのです。

 

無理なく支援できる範囲を、あらかじめ決めておく

 

かわいい息子や嫁、娘や婿むこが子育てと仕事に翻弄されて疲れきっている姿を見るのは、親にとっては大変忍びないことです。孫を預かる、毎日の食事を用意するなど、つい無理をしてでも助けてやりたくなることでしょう。

しかし、アンケートでは、次のような声が多く寄せられました。

 

3年前に仕事をしながら母の介護もしていたが、誤嚥性肺炎で亡くなった。ところが、ほっとする暇もなく、今度は、孫が保育園に入ることになり、娘の都合に合わせるため、孫の世話をしばらくするようになった。それで、自分は体調を崩してしまい、あちらこちらに病気が出てきた。しかし、私の支援がなければ、娘はきっと行き詰まっていただろう。 (60代前半 女性)

 

近くに住む娘と孫が、毎週のように週末に来て泊まっていく。疲れて、目が回る。そのため体調は不良だ。今週末もまたやってくる。もう約束したので、向こうもあてにしているだろうからがんばるしかない。 (70代後半 女性)

 

歩いて3分のところに住む娘と孫の面倒を見ている。毎日のように来ては、婿の夕食まで持って帰る。夫も何もしてくれない人で、すべて私がやっている。ぎりぎりの暮らしをしているためか、自分の趣味の山登りをすると、すぐに体調を崩すようになってきた。だんだん疲労がたまる。もう限界かもしれない。 (60代後半 女性)

 

今、どんなに元気だったとしても、体は確実に老いていきます。

支援することが自分自身の喜びであるうちはよいのですが、大きな負担と感じるようになってきたならば、できることの容量を超えてしまった、ということです。

老いていく体で無理をし続けていけば、やがて倒れてしまうでしょう。

子や孫に、ほんとうに助けの手が必要なときに面倒をかけてしまう、ということも起こり得ますし、ムリを続けたために倒れ、寝たきりになっては本末転倒です。

ですから、支援は「無理のない範囲」でとどめておくことが大切なのです。

「どこまで支援できるのか」は自分自身でないとわかりません。ムリをしていると感じたときは、きっぱりと断ることが大切です。

 

 


 

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