稼げる人は、経済的にも精神的にも安定しています。「あなたが必要なの」「力を貸してほしい」と求められる人は、何が違うのでしょう?

 

手紙

 

「自分のやりたいこと」よりも「自分にやれること」でお金を得る

 

多くの人は「年を取ると雇ってもらう場所がない」と言います。たしかに、若い人と同じ土俵で戦おうとすると、むずかしいかもしれません。

でも、「雇ってもらおう」と考えるのではなく、「人を喜ばせよう」と考えてはどうでしょう?

 

年を取るほど、できることは増えていくはずです。「働くこと」は、自分のなかにある〈資源〉を、お金と交換すること。知識、経験、情報、スキル、健康、資格など、積み重なった資源があるでしょう。約束を守る、人間関係にうまく対処できる、問題を合理的に解決できるなど、ハッキリ見えないけれど、とても大事な資源があるかもしれません。

そんな資源をつかって、「人を喜ばせること」を考えるのです。料理を作る、育児や介護のサポートをする、コーヒーを淹れる、なにかを教えるなど、これまで自分がやってきたことを提供する方法があるかもしれません。時間という資源を使って、その価値にさらに磨きをかけていく方法もあるでしょう。自分のもっている物、仕入れた物に付加価値をつけて提供する方法もあります。

とにかく、自分の資源をお金に換えていく方法は無限にあるのです。

 

仕事で「自分のやりたいこと」を追求できればいいでしょうが、そこに「求めてくれる人」がいなければ、仕事は成立しません。それよりも、目の前の人、まわりの人に対して、「自分のやれることはなにか」「どうしたら、少しでも幸せにできるのか」と考え続けたほうが、歯車が噛み合うように、仕事が生まれ、やり甲斐にもなっていくはずです。

そんな人は、引き合いが多く、お金にも恵まれます。「稼げる自分」に近づくことは、経済的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさにもつながります。だれかに「あなたにお願いしたい」「あなたが必要」と言ってもらえるのは、人生でなにより幸せなこと。それは誇りになり、「幸せなお金の稼ぎ方」になっていくのです。

 

お金は大切なパートナー

 

先日、アルゼンチンへ取材に行ったとき、現地の男性にこんなことを言われました。

「日本人はお金の人生設計が立てられないと不安だって言うけど、世界中ほとんどの人はお金の計画は立てられない。この国では銀行にお金を預けてもデフォルトするかもしれないし、会社が倒産することも、会社をクビになることもよくあること。だから、どんな状態になっても働けるように、自分のなかに力を蓄えていくしかないんだ」

 

その力は、仕事のスキルだけでなく、心と体が健康であることや、助け合える人間関係があることなども含みます。また、「お金の心配をするよりも、若い人は恋愛をすること、なにかに挑戦すること、家族のいる人は、みんなで食卓を囲んで話をすることなど、もっと優先することがあるはずだ」という言葉も身に染みました。

「もっといい暮らしがしたい」「もっと高価なものが欲しい」と思うことは、けっして悪いことではありません。でも、お金が幸せを阻害するものになってはいけない。高価な暮らしのために膨大な労働時間を割いているとしたら、そのために失っている大切な時間もあるはずです。

 

お金は、私たちに希望と豊かさを与えてくれる大事なパートナー。感謝と敬意をもって、丁寧につきあっていこうではありませんか。

「自分を幸せにすることにお金を使う」「人を幸せにすることでお金を稼ぐ」、それを軸に置いたら、幸せなお金とのつきあい方ができると思うのです。

 

【著者紹介】

有川真由美(ありかわ まゆみ)

作家。自身の多くの職業経験を活かして、自分らしく生きる方法について執筆を続ける。世界約40カ国を旅し、旅エッセイも手がける。『なぜか「仕事ができて、好かれる人」の話し方』(PHP文庫)など著書多数。最新刊は『たった一つの自信があれば、人生は輝き始める』(きずな出版)。

 

『PHPスペシャル』12月号より

 

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本記事は、PHPスペシャル2017年12月号特集「人生が明るくなるお金の習慣」より、一部を抜粋編集したものです。