悲しみやさみしさ、落ち込みといった負の感情は、なかなか消えてくれません。心が荒れているときはどうしたらいいのでしょう?

 

お茶

 

今年はあなたにとって、どんな一年でしたか?

 

一年を振り返ったとき、うれしい体験よりもつらい体験のほうが多かったような気がするかもしれませんね。それでもあなたはがんばって今日までやってきたのです。そんな自分にかけてほしい言葉が二つあります。

それは「何はともあれ、お疲れさま!」と、「私なりによくがんばった!」。

自分ががんばったことをだれよりも知っているのは自分です。だから、まっ先に自分のがんばりを認めてねぎらってください。それをしないと、どうしても後悔や不満のほうが先に立って自分を責めはじめてしまうから。

 

この一年がいい年だったと思えるかどうかは、あなたの振り返り方次第なのです。思い起こせば、うれしかったことや楽しかったこともいっぱいあったはず。まずは、心が震えるような喜びの体験に感謝を捧げ、かたや、つらくて悲しくなった記憶は上手に手放して、心機一転を図りましょう。

 

嫌な体験・感情ばかり思い出されるのはどうして?

 

穏やかに今年を振り返りたいと思っても、嫌な体験や嫌な感情ばかり思い出されて気持ちが沈んでしまう......というときは、心が消化不良を起こしています。自分が痛い目に遭った体験の意味が腑に落ちていないのです。するといつまでも、「あんなことさえなかったら」と悔やんだり、「あの人のせいだ」と責任転嫁したりする気持ちが消えません。

 

原因は、「人生で転ぶのはよくない」「私は転びたくない」「できればあの体験はなかったことにしたい」という考え方にあります。そんなふうに思うことはありませんか? そう考えるのは、なんの「痛み」もなく前に進みたいという心理が働いているからです。

 

痛い思いが心を整えるきっかけになる

 

でも、実際は違うんですよ。私たちは転んで痛い思いをすることで学び、心を入れ替えて立ち上がったときに新たな一歩を踏み出せるようになっているのです。

 

恥ずかしさ、悔しさ、怒り、憎しみ、みじめさ、悲しみなど、痛みはどれも苦しい感情なので、いっそ人生から消えてなくなってほしいと思うかもしれません。けれど、ちょっと想像してみてください。もし、自分が痛い思いをまったくしなかったら、対極にある喜びや幸せをどの程度感じることができるだろうか......と。

 

苦しみを乗り越えたあとにかみしめる喜びが大きいことを、あなたはすでに知っていますね。嫌な感情はいつでも、幸せな感情と二人三脚で人生にやってきます。つまり、嫌な体験や感情ばかり思い出されるときは、「陰にある幸せに気づいて!」というサインなのです。

 

【著者紹介】

宇佐美百合子(うさみゆりこ)

作家、心理カウンセラー。執筆や講演を通じて、幸福に生きるヒントを説く。『みんな、ひとりぼっちじゃないんだよ』(幻冬舎文庫)、『嫌な感情の愛し方』(サンクチュアリ出版)など、著書多数。

 

『PHPスペシャル』1月号より

 

 

SP1801

 

 

本記事は、PHPスペシャル2018年1月号特集「心とモノをすっきり!整える」より、一部を抜粋編集したものです。