自分の不甲斐なさに、思わず泣いてしまった森さん。娘さんがそのときとった行動とは----。

 

女性

 

7歳になる娘は小学校にもすっかり慣れて学校生活を楽しんでいる。彼女が5歳のときに弟が産まれ、甘えん坊だった娘も今ではすっかり優しいお姉ちゃんになっていて、弟が散らかした部屋を片づけてくれたり、危ないことをしていると止めてくれたりする。最初は何となくぎこちなかった姉弟も、こうやって自然に頼ったり、思いやったりするようになるのだなと、日々感じている。

 

最近、1歳7カ月になる息子がとても活発で、何でも興味津々。触りたい! 登りたい! 行きたい! と好奇心の赴くまま動き回り、無邪気に笑っては、時々痛い思いもしている。「イヤ!」の表現もビックリするほど力強く、息子のエネルギーに圧倒され気味の毎日だ。

 

それは私が体調を崩し、横になりながら、ちょこちょこと家事をこなしていた日のこと。

 

布団から空を見上げると雨雲が近づいてきていたので、「洗濯物を取り込まなければ......」と急いで重い体を起こし、ベランダと部屋を往復していた。すると外へ出たい息子がキャッキャとやってきて、ベランダへ出ていこうとしている。「お外はダメよ! ダメ!!」と私が何度言って止めても、息子はまったく言うことを聞こうとしない。

 

体の不調と、もちろんそれを理解してはくれない息子に何とも言えない気持ちで、口調もつい強めになる。こうなるともう悪循環。息子もワーワーとグズる始末で、私は泣いている息子をなだめる気にもなれず、布団へ倒れ込んだ。

 

つらいやら、情けないやら、悲しいやら、もういろいろな感情が交錯し、大人気なく涙がポロポロと流れてくる。大泣きの息子と同じ姿勢で泣いている私。「あぁ、何かダメだな......」、どんどん気持ちが沈んでいった。

 

すると1人でテレビを見ていた娘が、大泣きの弟に黙って近づいていき、どっこらしょ! と抱きかかえ、ヨシヨシとなだめ始めた。

 

7歳にしては少し小さな娘が、食欲旺盛でどっしり体型の弟をめいっぱい抱っこして、優しくユサユサと体を揺らし、あやしている。ものの数分で息子はスヤスヤと寝息をたて、娘は弟をそっと布団へ寝かせてくれた。

 

そして横になって見ていた私のところへ来て「お母さん......」と優しく呟き、ただただ、そばにいてくれた。そんな娘に私は何だか胸がギュッと熱くなり、「こうやってこの子に助けてもらうことが、これからもたくさんあるのだろうな」と実感した。

 

まだ7歳の娘が一瞬見せた大人な行動に、ドキッとさせられた瞬間だった。彼女も一日一日しっかりと成長しているのだ。

 

母親業は本当に大変だ。毎日は家事育児であっという間に終わってしまう。特に幼い子どもを育てていると、なかなか自分の時間がとれなかったり、何となく孤独を感じる瞬間があったり。ただ、何にも代えがたい喜びや感動を与えてくれるのも、また子どもである。親になった私に様々な物事を見せ、経験させてくれる。

 

親もまた日々成長。ヘトヘトになりながらも、子どもたちが寝静まった一日の終わりに今日あった出来事を思い出し、穏やかな寝顔を見ては満たされ、自然と笑みがこぼれる。そんな日々を私は今過ごしている。心は「母」であるという幸福感で満たされている。

 

森 京子 (沖縄県・40歳・主婦)

 


 

『のびのび子育て』 2月号より

 

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本記事は、のびのび子育て2018年2月号特集「1日7秒、本気で抱きしめよう 甘えさせるほど「いい性格」に育つ!」より、一部を抜粋編集したものです。