2度の流産を経験し、念願の子どもを授かった藤本さん。息子さんに心から伝えたい思いとは――。

 

親子

 

私には1歳5カ月の息子がいます。子育ては大変ですが、昨日はできなかったことが今日はできるようになったり、昨日までしゃべれなかった言葉が今日はしゃべれるようになったり、日々、目まぐるしく成長していく息子の姿を見ると、とても嬉しい気持ちになります。

 

しかし息子は、第一子らしさがあまりなく、まるで上に兄姉がいるかのようなやんちゃぶり……。叱ったり言い聞かせたりで疲れることも多い毎日ですが、そんなとき、ふと思うのです。「戸籍上は第一子かもしれないけど、実は第三子になるから、やんちゃなのかもしれない」と。

 

私は息子が産まれる前に、2度の流産を経験しました。1度目に切迫流産と診断されたとき、妊娠したら普通に産まれると思っていた私には、流産の言葉は衝撃でした。そして2度目も流産……。そのとき、お医者さんから、原因を見つけるための検査をすすめられました。

 

もし何か見つかれば怖い、でも見つかれば治療することだってできるかもしれない……。迷いましたが検査を受けることにしました。ですが結局、原因はわかりませんでした。何も見つからなかったことへの安堵と、残念な気持ちが入り雑じり、私の気持ちは複雑でした。

 

3度目の妊娠は2度目の妊娠から数年後でした。過去2回の流産が嘘のように、本当に何事もなく順調に進みました。

 

エコーに映る息子を見たとき、健診のたびに無事に育っているのを見たとき、小さい足でお腹を蹴ったとき、本当に夢のような時間でした。

 

そしてやっと会えた、わが子。

 

夫と2人で号泣しました。産んであげられなかった子と、産まれてきてくれた子のことを思い、涙が止まりませんでした。息子には、健やかに育ってくれるようにと願いをこめ、夫が名前をつけました。名前のとおり、特に大病をすることもなく健康に育ってくれています。

 

息子が「ママ、パパ」と呼んでくれるたびに、息子がここにいてくれることに幸せが溢れます。パパっ子なので私は少し寂しいですが、息子がパパと遊んでいる姿を見ると幸せで涙が出そうになります。

 

息子が産まれてきてくれたこと、それは偶然や奇跡なのではなく、必然だったと思います。これから先、もっともっと大変で、悩むことだってあるでしょう。息子の反抗期、親子ゲンカ、たくさんたくさんぶつかるかもしれません。でもそのときは、私たちのもとへ産まれてきてくれたことへの感謝を忘れず、息子と一緒に乗り越えていけたら、と思います。

 

いつか息子が大きくなったら伝えたいことがたくさんあります。

 

ママが「ご飯食べようね」と言うと、「ね!」と返してくれる優しい姿。

 

ママが「ぷんぷん」って言うと、腕組みしながら「ぷんぷん」って真似して満面の笑みで逃げていく可愛い姿。

 

帽子が嫌いで「帽子をかぶらなきゃ、お散歩しないよ?」というママの言葉に、怒りながらもかぶってくれた少し大人になった姿。

 

今では自分で帽子をかぶりながらキラキラした目で散歩に行こう! とママの手を引いてくれるやんちゃな姿。

 

どれもかけがえのない一瞬一瞬です。すべてを伝えることは無理だけど、これだけは必ず伝えたいです。

 

いつか大きくなる君へ。

 

産まれてきてくれてありがとう。

 

ママとパパに幸せをくれてありがとう。

 

(滋賀県彦根市・30歳・主婦)

 


 

『のびのび子育て』 3月号より

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本記事は、のびのび子育て2018年3月号特集「心が荒れる家庭、やさしく育つ家庭」より、一部を抜粋編集したものです。