ヘルシーだと思われているその「健康習慣」が、あなたの寿命を縮めているのです!

 

 

ふくらはぎをもむ

 

ふくらはぎをもむのはきわめて危険な行為です。なぜなら、手足をあまり動かしていないときは血液の流れが滞りがちなので静脈の内側に血栓ができてしまうのですが、そんなときに突然手足を動かしたり、強くもんだりすると血栓が剥がれて血管内に流れ出る可能性があるからです!

とくに足の静脈を流れる血液は、心臓を通って肺に届くようになっているため、流れ出た血栓は肺で詰まってしまいます。その結果、呼吸ができなくなり、時に死を招く恐れもあるのです。

 

運動は必ず20分以上続ける

 

よく「脂肪は運動を20分以上続けないと燃焼しない」と言われますが、実は何もしなくても日々、脂肪は燃えています。たとえば、病気で食事を摂れなくなるとやせてしまいますが、このときはカロリー源として体脂肪が燃焼するのです。ですから、「20分続ける」ことにこだわる必要はありません。

それよりも、こまめに体を動かすことが大切。なるべく車を使わずに歩いて買い物に行く、駅では階段を使う、散歩をする......など、毎日少しでも運動することが健康につながります。

 

体は石鹸、髪はシャンプーでゴシゴシ洗う

 

人間の細胞は、わずかな刺激でも壊れてしまうほど弱いもの。それを守るために、私たちの肌の表面は角質や皮脂で覆われています。ところが、入浴時にスポンジやタオルでゴシゴシ洗うとそれらが取れてしまうのです。しかも、石鹸やボディソープの多くは角質や皮脂を破壊してしまう傾向が。

すると、肌がきれいになるどころか老化が進み、感染症を引き起こす恐れもあります。シャンプーも同様。お湯に浸かって体が温まる頃には肌の汚れは落ちます。石鹸やシャンプーでゴシゴシ洗うのは禁物です。

 

薬を使って、ていねいに「うがい」する

 

風邪予防に使われているうがい薬ですが、結論から言うと、健康のためにはうがい薬は使わないほうが賢明。事実、「ただの水でうがいをした人のほうが風邪をひかない」という研究結果があります。怖いのは、一般的なうがい薬に含まれているヨード(ヨウ素)がアレルギーを起こしうるということ。

また、殺菌力が高いので、口内に常在する善玉菌を殺したり、刺激が強すぎて口内の粘膜を傷つけ、そのことがかえってウイルスの侵入を許してしまうことにもなりかねません。

 

勉強や読書は明るい場所で

 

「暗いところで本を読んだり勉強をすると、目が悪くなる」と思っていませんか? ところが調査の結果、いくら暗いところで本を読んだり勉強をしても目は悪くならないことが明らかになりました。日本人に近視が多いのは、ほぼ遺伝子の問題、つまり日本人の体質なのです。

目の健康を考えると、暗いことよりもむしろ明るすぎることのほうが危険です。とくにLED照明やパソコン、スマートフォンなどから発せられるブルーライトは、目のさまざまな病気を引き起こすとされています。

 

首を強くもむ

 

「薬を使わずに血圧を下げる」という本が話題です。その方法の一つとして「首をもむ」とありますが、それは、ふくらはぎをもむ以上に危険な行為。首の血管には、脳に十分な血液が流れているかどうか絶えずモニターしている血圧センサーがあります。

首をもむと血圧センサーの働きによってたしかに血圧は下がりますが、強くもみすぎると失神したり、最悪の場合には死に至ることも。また、首の血管も血栓ができやすい場所なので、首を強くもむと脳卒中を起こす危険があります。

 

歯磨きで虫歯を防ぐ

 

そもそも歯を磨いて虫歯を予防できるというエビデンス(証拠)は一つもありません。いま話題の歯周病が日本人に多いのは歯磨き云々ではなく、日本人の体質の問題です。また、カルシウムやリンが歯に多く含まれていると丈夫な歯になりますが、これはお母さんのお腹の中にいるときに決まる、つまりお母さんの食事の内容次第なのです。

なお、歯を磨く場合には、研磨剤入りの歯磨き粉には注意が必要。磨く力が強すぎて、かえって歯や歯茎を傷める可能性があるのです。

 

とにかく消毒、除菌 !

 

公共施設だけでなく自宅にも消毒用アルコールを置いている人が増えているようです。しかし、消毒用アルコールを常用していると、アルコールに強い菌やウイルスが生まれ、いざ強い菌やウイルスが大量発生したときに消毒できなくなってしまいます。

また、人間はさまざまな菌に囲まれて生きていて、これらに負けないよう免疫力を持っていますが、過度な消毒、除菌によってこの免疫力が低下してしまいます。外出して家に帰ったら流水で手を洗い、水やぬるま湯でうがいをする。これで十分です。

 

睡眠不足は週末の寝だめで解消

平日であろうと週末であろうと、同じ時間に起きて同じ時間に食事を摂ることがいちばん健康的であることが証明されています。ですから寝だめは、むしろ体には悪いということになります。睡眠時間が長すぎる人のほうが寿命が短くなるので、眠れないことをあまり気にしないこと。

ただし、睡眠が足りずに昼間、眠くて仕事や勉強が手につかなかったり、体調が悪いなど日常生活に支障をきたすようなことがあれば、何か病気が隠れている可能性があるので、早目に病院で検査を受けましょう。

 

病気やケガのときは絶対安静に

 

人間の体は、動き回っているときに初めて健康が保てるようにできています。たとえば、「ぎっくり腰や椎間板ヘルニアになったときは絶対安静に」とよく言われますが、ぎっくり腰を含めて腰痛の多くは、体を動かしていると自然に治ります。ひざの痛みも同様。

どんな病気もケガも、じっと安静にしているよりも積極的に体を動かしたほうが、早く治ることが証明されています。

なお、健康のためには日常的に、ウォーキングや軽いジョギングなど脈拍数が少し上がる程度の運動を続けましょう。

 

【これは安心!本当に カラダにいいこと】

 

風邪予防にマスク

 

ウイルスは微小でマスクの隙間を通り抜けてしまうから「マスクには風邪予防効果がない」と言う人がいます。しかし、風邪のウイルスは1個1個飛んでいるわけではなく、風邪をひいている人の唾液や鼻水に含まれ、それが周りに飛び散って感染。そうした唾液や鼻水をブロックするにはマスクは有効です。

いまは高性能をうたうマスクが数多く市販されていますが、おすすめは昔ながらのガーゼを幾重にも折りたたんだもの。それも2、3回洗って少々毛羽立ったものが効果が大きいようです。

 

インフルエンザの予防接種

 

ワクチンが体に与える効果には疑問点も少なくありませんが、インフルエンザワクチンに関しては「受けたほうがいい」というのが私の意見です。昔、日本の小学校でインフルエンザワクチンの注射が必須だった頃は、高齢者の肺炎による死亡率が大きく下がりました。子どもから高齢者へのウイルス感染が少なかったからです。 もちろん副作用には注意が必要で、注射は体調を見ながらしなければいけませんが、子どもと高齢者にはインフルエンザワクチンの接種をおすすめします。

 


 

【著者紹介】

岡田正彦(新潟大学名誉教授・医学博士)

専門は予防医療学、長寿科学。大規模な追跡調査に基づき、日本の医療や健康に関する間違った常識に警鐘を鳴らしながら、日本人におけるガンや血管障害などの危険因子を探るための研究に取り組む。『効く健康法 効かない健康法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。

 

『からだスマイル(PHPくらしラク~る増刊)』 4月号より

 

 

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本記事は、からだスマイル(PHPくらしラク~る増刊)4月号特集「本当はカラダに悪い101のこと」より、一部を抜粋編集したものです。