ひとりぼっちは嫌なのに人とうまくつきあえない人は、どうすればいいのでしょう。心理カウンセラーの大嶋信頼さんに伺いました。

 

手紙

 

苦手意識の原因はどこにある?

 

「孤独なんです」「人と仲良くなれません」という悩みをカウンセリングの中で聞いていると、「あ! 孤独って喉の渇きと一緒なんだ!」と思うことがあります。喉の渇きって、自分に合った飲み物を飲んだときに潤いますよね。自分に合っていないものを飲んでしまうと、渇きはおさまらず、「もっと」「さらに」「どんどん」と渇きが酷くなって、飲み続けてしまいます。そして、それが知らず知らずのうちに、その人の身体をむしばんでしまうんです。

孤独感もそれと似ています。孤独を感じたときに、「あ! 私の孤独はこれなんだ!」と、自分の渇きの種類を知って適切に対処することができれば、心の渇きは潤い、「孤独って私にとって必要なものなんだな」と思えたりするから興味深いものです。

ここで、人づきあいが苦手な人が抱えがちな孤独と、その対処法をご紹介しましょう。

 

仲良くなりたいのに、人見知りで声をかけられない

 

この孤独は「完璧主義」の人が感じやすいものです。人に話しかけるなんて、「適当」とか「いい加減」じゃないとできません。なぜなら、相手から返ってくる反応なんて、自分の理想通りにはいかないわけですから。

しかし完璧主義の人は、「相手に嫌われないように話しかけなきゃ」と考えてしまいます。同時に、「相手から拒絶される」という予測をたくさんしてしまって、「拒絶されるのが怖くて話しかけられない!」となるんです。

私もこの不安を抱えていたのですが、友達から「一生懸命にちゃらんぽらんになろう!」という言葉をもらってから、完璧じゃなくてもいいんだと思えるようになりました。そして、「話しかけるのが楽になった!」と変わることができました。不安になったらこの言葉を頭の中で唱えています。

 

新しく人間関係を広げることに自信が持てない

 

この不安は、「人のことや先のことを考えて不安になってしまう」という人が感じるものです。相手の気持ちや、まだ起きていない将来のことなどを考えてしまうと、「人間関係は面倒くさい」となり、「だから一人でいるのが好き」となります。加えて、「周りの人から、『一人でいるのが好きなんて変だ』と思われたらどうしよう!」と、人から自分がどう見られているかを考えてしまうと、さらに不安になってしまいます。

周りの目を気にして不安になったり、新しい人間関係にしり込みするときは、「人の気持ちはわからない。自分の気持ちすらわからない」と心の中でつぶやいてみると、「あ! 別に一人でいてもいいかもしれない」「ちょっと人に声をかけてみようかな」と思えてきます。本当に人は、自分の気持ちすらわからないものですからね。

 

「人とうまくつきあえない」と言っても、その原因は人によってさまざまです。自分がなぜ孤独を感じるのか、その理由がわかればむやみに恐れなくなるはず。ハードルを下げて、自分なりにできそうな人づきあいの方法を探ってみるのが、さみしさに押し潰されないための一番の近道なのです。

 

『PHPスペシャル』3月号より

 

【著者紹介】

大嶋信頼(おおしま・のぶより)

心理カウンセラー。カウンセリング歴24年で、7万件以上の臨床経験を持つ。『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)、『小さなことで感情をゆさぶられるあなたへ』(PHP研究所)など著書多数。

 

表紙

 

本記事は、PHPスペシャル2018年3月号特集【「ひとり」を楽しもう!】より、一部を抜粋編集したものです。