落ち込みや気にしすぎる性格は、偏った考え方に原因があります。

 

女性

 

考えが偏るとネガティブになる

 

ネガティブな考えのスパイラルにはまり込んでしまう多くの場合、三つのパターンの「偏った考え方のクセ」にとらわれていると考えられます。

 

【1】完璧主義はイライラ感を生む

一つめは、完璧主義のクセ。「誰とでも仲良くつきあわなければいけない」と気を遣いすぎ、人間関係全般が苦手になりがちです。また、物事が自分の思い通りにいかないと、怒りの感情へ向かいやすく、焦燥感やイライラを感じてしまうこともあります。

 

【2】自己否定をすると実力が発揮できなくなる

二つめは、自己否定的なクセ。「自分はダメ人間だ」などと思い、自己評価が極めて低いため、周囲の人に「そんなことないよ」と言われてもそうは思えません。結果的に「つきあいにくい人」と思われたりします。また、自信がなく積極的に行動できないため、実力を発揮できず、社会的な評価も下がりがち。やがて、自分のことを大事に思う「自尊感情」が損なわれてしまいます。

 

【3】人間不信は孤独感を募らせる

三つめは、人間不信のクセ。基本的に「他人は信じられない」という考え方を持っていて、根拠のない恐れや不安を感じていることが多いです。相手を信用することができないため、人づきあいを苦手に感じることも。自ら孤立してしまい、強い孤独感や寂しさを感じることもあるでしょう。

 

ネガティブ度を数値化して「クセ」を自覚しよう

 

今、生きづらさを感じている人は、以上の三つの考え方のクセにどれくらいとらわれているか、そのレベルを知る方法があります。たとえば、自己否定的な考えにとらわれていて「私はダメ人間だ」と思っているとします。では、どれくらいダメなのか「ダメ度」を0〜100で数値化してみてください。100に近いほど自己否定的な考え方のクセがあるということ。ほかの二つの考え方のクセについても、同様に数値化してみましょう。 ここで大切なのは、数値の大きさではなく、自分の考え方のクセを知ることです。「今、私は偏った考え方のクセがある状態なんだな」と自覚できれば、それをプラスに変えることは、そうむずかしくはありません。

 


 

『PHPスペシャル』 9月号より

 

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本記事は、PHPスペシャル2018年9月号特集「考えすぎない練習」より、一部を抜粋編集したものです。

 

【著者紹介】

清水栄司(しみず・えいじ)

精神科医。千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授、同医学部附属病院認知行動療法センター長、子どものこころの発達教育研究センター長。センターでの年間約2900件の認知行動カウンセリングを統括する。著書に『ぐるぐる考えてしまう心のクセのなおし方』(大和書房)などがある。