褒められるとつい謙遜してしまいますよね。でもその瞬間、相手の表情が能面のようになることもしばしば......。一体何がいけないの!?

 

女性

 

人前で自分を否定したり卑下しない

ジョギングで汗を流して帰ってきたときに、同じアパートに住むおじさんが「健康的でいいねー!」と声をかけてくださったことがありました。ところが私は、「これ病気の予防でやっているだけなんで」と、余計なことを言って会話がつづかなくなってしまったのです。

会話がつづかなくなって「なんで、自分は余計なことを言ってしまうんだろう?」と、嫌な気持ちになって「自分はやっぱり人とうまく会話ができない」とダメ出しをして自己肯定感が低くなってしまうんです。

また、別の日には、買い物に行ったときに「いい靴を履いているね!」と、お店の人からほめられたら「これ、安物でセールのときに買ったんで」と言ってしまう。

やっぱり次の瞬間に、お店の人は興味を失ってしまって会話がつづかなくなって、「やっぱり自分はダメだ」と自己肯定感がどんどん低くなってしまいます。

 

なんで相手の気分を盛り下げるようなことを言って、自己肯定感を低くするようなことをしてしまうのだろう?と考えるんです。

すると、子どものころに、おばあちゃんから青色のバットを買ってもらって「わーい!いいでしょ!」と友達に自慢をしたら、友達は「そんなのすぐにぶつけて傷ついてボロボロになるんだから」と地面にバットを叩きつけられて、新品のバットに傷がついて「ワーン!」と泣いてしまったことを思い出しました。

自分が喜んでいたら嫉妬される……。

学校で先生からほめられて、わーい!とうれしくなって家に帰って、父親に報告したくて玄関で待っていて「お帰りなさい」とニコニコしながら挨拶をしたら「こんなことをしている暇があったら、なんで勉強しないんだ!」と引っ叩ぱたかれたことも……。

だから、うれしそうにしていると必ず怒られる、と思っていたんです。

 

いつの間にか、人からほめられても「喜んだら嫉妬される」という恐怖を感じるようになり、それを打ち消すために「自分を卑下する」ようになっていました。

自分としては「謙虚に振る舞っているから、なんの問題もないはず」と思っていたんです。

でも「自分はたいしたことないです」と、自分を卑下して謙虚に振る舞えば振る舞うほど、友達が私から離れていきます。

私はこれにずっと悩んでいて「謙虚さが偽善的に見えるからかな?」と思っていて、「でも、本当に自分がダメだと思っていて噓をついているわけではないのにな」と考えていました。

あるとき、クライアントさんの話を聞いていて「私はダメなんです」といろんな人に話せば話すほど、どんどん身体の調子が悪くなっていく!という現象を見たときに「あ!謙虚に振る舞えば周りの人から逆に嫉妬されてボロボロになっていくんだ!」ということに気がついてしまったんです。

クライアントさんに「謙虚に振る舞うと嫉妬される」という話をして、それを止めてもらったら「身体の調子が良くなった!」となって、どんどんクライアントさんの自己肯定感が上がっていったことから「嫉妬されると自己肯定感が低くなってしまうんだ!」ということがわかりました。

“自己卑下”とか“自己否定”をすることで自己肯定感が低くなってしまう、というよりも「周りから嫉妬の攻撃をされるから自己肯定感が下がる」ということがよく見えたんです。

たしかに、自分の過去を振り返ってみると、私が謙虚に振る舞って“自己否定”したときは、相手の顔が「チ〜ン!」と能面のような顔になってしまって、表情がなくなります。

 

テレビを観ていて、ある女優さんがほかの女優さんの発言で嫉妬したときに「あ!やっぱり能面のような顔になっている!」というのに気がつき、「あの表情って、話が面白くないのではなくて、“嫉妬の発作”を起こしているときの表情なんだ!」ということに気がつきました。

どうやら「嫉妬」は、高尚(知性や品位が高く上品なこと)とか高潔(気高く立派で、汚れがないこと)な人に向かって起こるみたいなんです。 「私なんてダメなんです」という謙虚さは「高尚」や「高潔」に見えてしまうから、“嫉妬の発作”を相手に起こさせてしまいます。

その“嫉妬の発作”を受けたときに「自分はダメなんだ」と自己肯定感がどんどん低くなってしまうだけだったんです。

嫉妬をされないように謙虚に振る舞っていたはずなのに、逆に嫉妬を受けて自己肯定感が低くなってしまっていたんです。

 

では、どうすればよいのでしょうか?

具体的には「人に自分の問題を相談しない」とか「ほめられたらそのまま受け取る習慣をつける」ということを繰り返すだけでよいのです。

人に「上司からまた怒られて、自分はドンくさくて、いつも目の敵かたきにされちゃうんだよな」などの相談はしないこと。

というのは、あなたは、相手が「あなたはそんなにドンくさくないよ!」と否定して慰めてくれる、というのを期待してそんな相談をしてしまうのかもしれません。ところが、言葉でそれを返してくれたって、相手の脳の中では〝嫉妬の発作〟が起きてしまうので、結局は後になって「あの人にあんなことを言わなければよかった」という気持ちになってしまうんです。

それは、口では味方になっている体なのですが、相手の頭の中では「この人ずるい!」と嫉妬し攻撃することになるから。

だから、どんどん自己肯定感が低くなって「まずいことしちゃったな」と後悔しちゃうんです。

「いいね! それ!」と言われたときも「ありがとう!」とか「いいでしょ!」と答える習慣をつけちゃうと、「あれ? どんどん自己肯定感が高くなっていく!」と感じるでしょう。それは、謙虚に振る舞ったがゆえの嫉妬をされなくなるから。

自己肯定感って意外なことで高くなるんです。

 


 

【本書のご紹介】

 

「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法

 

『「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法』

自己肯定感が低い人は、損してますよ! 仕事力・学力・続ける力が急上昇する、言葉と習慣を人気カウンセラーが公開。

 

【著者紹介】

大嶋信頼(おおしま・のぶより)

米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として、依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所原宿相談室室長を経て、株式会社アイエフエフ代表取締役として勤務。現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。

著書に『ミラーニューロンがあなたを救う!』『支配されちゃう人たち』(以上、青山ライフ出版)、『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(以上、すばる舎)、『小さなことで感情をゆさぶられるあなたへ』(PHP研究所)などがある。