休むのが上手な人は、力を抜くための工夫と知恵を、常に編み出し続けています。

 

女性

 

動くときも休むときも「区切り」を決める

 

休みを確保するための最初のルールは、区切りを決めることです。たとえば、この作業は30分以内に終わらせる、ここまで作業が済んだら10分休憩する、終業時間を守るなど、一つの作業にかける時間を制限します。すると、集中力や効率がぐんと高まります。

なぜなら、区切りを設定すると緊張感が生まれるからです。そして、「この時間までに終わらせるには、どういう方法で進めたらいいんだろう?」と知恵が働きます。すると、今までとは違う方法が思いつき、結果として休む時間を確保できるようになります。

そのときに便利なのがタイマー。音の鳴るものもいいですが、職場で利用したい人は光で時間を知らせるものも便利です。

そして、決めた時間が来たら作業をやめてみてください。今やり終えなくても大丈夫なことは意外とたくさんあります。「今日は休んで、明日何とかする!」と思い切ってしまえば、また新しい知恵がわいてくるはずです。

 

「時間」ではなく「密度」を基準に動く

 

「とことんやったぞ」という達成感を得たいがために、休み時間を削ってまでがんばり続けてしまう人がいます。

一方、休み上手で、なおかつ達成感も得られる人は、休み下手な人と違って、限られた時間の中でどれだけ質の高い作業ができるかという「密度」を基準に動いています。

ラグビー日本代表の元監督・故平尾誠二さんが外国のチームを視察したときのことです。観察しているうちに、外国のチームは日本に比べて練習時間が極端に短いことに気づきました。選手たちは短い時間の中で、最初から最後まで力を出し切っています。

一方日本は、長時間の練習をよしとしがちなため、練習が間延びしてしまっている……。そのときに、試合に活きる練習は、時間ではなく密度だとひらめいたそうです。

「動く」と「休む」は表裏一体ですから、作業をスムーズに終わらせるためには、まずはしっかり休んでエネルギーを蓄えてください。そして、蓄えたエネルギーを爆発させて、限られた時間の中で濃密に動いてみてください。エネルギーにあふれているときにしか、作業を早く進めるアイデアは浮かびません。

 

休むための方法を常に探す

 

多くの人は、いつも通りのペースで、いつもの人たちと、いつもの方法で作業をしたほうがラクだと感じます。

しかし、それに固執してしまうと、やることが増えても方法を変えられず、「いつまで経っても終わらない」と嘆くことになります。

休み上手な人は、自分の習慣を常に見直しています。特に、作業量が増えたときこそ、「もっと効率的に進めて、休む時間を確保できる方法はないか?」と考えます。

いつもの方法を修正するために注目すべきは、「余計なこと」です。休み上手な人を観察していると、今やる必要がないことをどんどん省略して、効率よくハイペースで作業を進めています。

だらだらと作業を続けていても、終わりは見えません。手を動かしているのか休んでいるのかわからないような動き方をしていると、達成感も得られず、休みも取れなくなります。

もし今、忙しすぎて休む時間が取れないと嘆いているのなら、習慣を見直す大チャンスです。「無駄探し」をしてみてください。周りにいる休み上手な人を観察して、テンポよく進める工夫を学び、早く切り上げて存分に休みましょう。

 

『PHPスペシャル』11月号より

 


 

 

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本記事は、PHPスペシャル2018年11月号特集「疲れがすっきり! 心と体の休ませ方」より、一部を抜粋編集したものです。

 

【著者】

古川武士(ふるかわたけし)

習慣化コンサルタント。働く人にとって「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論と技術を確立。『図解 マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人生の主導権を取り戻す「 早起き」の技術』(だいわ文庫)など、著書多数。