不規則な周期、生理前のイライラや不安、そしてつらい痛み。そんな悩みは、ピルで生理を「お休み」することで解消できるんです。毎月のつらさから解放されて、もっとラクにハッピーに!

 

女性

 

毎月の生理が身体におよぼす影響って?

 

生理(月経)は毎月あるもので、健康のバロメーター。そう思っていらっしゃる方は多いようです。実は、生理痛がなくても、周期や出血量に問題がなくても、毎月の生理が身体に負担をかけていることは意外と知られていません。

昔の女性は妊娠と出産の回数が多く、その期間、生理をお休みすることができました。現代の女性は、妊娠・出産の回数が減り、生涯のうちに経験する生理の回数が5~10倍に増えています。

 

生理とは、妊娠のために準備された子宮内膜が、妊娠が成立しなかった場合にはがれて血液と一緒に体外へ排出される現象です。毎月の排卵や生理は、妊娠を希望しているときには欠かせない機能ですが、そうでないときには女性の身体の負担になることもあります。出血があるということだけでも日常生活に支障が出ますし、月経困難症や月経前症候群(PMS)などがあればなおさらです。

度重なる生理は、病気の原因にもなりかねません。月経時に子宮の筋肉が収縮することにより、月経血が卵管から腹腔内に逆流して子宮内膜症の原因になったり、生理不順があるとホルモンの影響で子宮内膜が異常に増殖して子宮体がんの要因になったりするおそれもあります。また、排卵するときに卵巣の壁を突き破って卵が出ていくために、卵巣の壁が傷を受けて、その積み重ねが卵巣がんの原因になるということがわかっています。

 

けれども、子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がんは、ピルで予防できることが明らかになっています。ピルを服用して生理を「お休み」できるのです。旅行など大事な予定に重ならないよう、生理が来るタイミングをずらすため、あるいは生理周期を整えるためにピルを飲んだことのある方もいらっしゃると思います。生理のタイミングだけでなく、生理の回数もピルでコントロールできるのです。

 

生理のつらさは「お休み」できる!

 

ピルは女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)の配合剤の総称です。月経困難症などの治療法として、保険診療での処方が認められています。ホルモンの配合量は薬によって異なりますが、しくみとして共通しているのは、排卵と子宮内膜が厚くなるのを抑え、月経困難症の痛みや子宮内膜症の症状をやわらげることです。

ピルを飲むことで、生理の回数やタイミングを自分のライフスタイルに合わせて決めることができます。ピルでコントロールしているかぎりは、生理の回数が減ってもまったく問題ありません。たとえば、年12回あった生理を、飲み方によって数回に減らすことができます。

 

もし「毎月の生理がないと身体の中がリセットされない」というイメージをお持ちなら、それは誤解です。生理が起きるのは排卵があるからで、排卵は妊娠を望むタイミングでなければ必要ないものです。必要のない排卵や生理を繰り返すことは将来的な病気の原因となります。ピルはこれらのトラブルを予防して、月経にまつわる不快な症状を取り除く薬でもあるのです。

ピルには避妊効果があるので、バースコントロールにも役立ちます。ピルの服用をやめると排卵が再開しますから、妊娠しにくくなるという心配はありません。むしろ、排卵を抑えて月経回数を減らし、子宮内膜症の予防をしておくことで、将来の不妊症を予防する「産みたいときに産むための薬」なのです。

しかし加齢に伴う卵子の老化は防げませんので、妊娠の希望がある方は、30代前半までに出産することを念頭におき、上手にピルを利用したライフプランを立ててください。

 

「生理に振り回されるのはしかたない」と思い込んでいませんか? でも、生理に伴う」痛みやつらさ、不快感は、あって当たり前のものではありません。がまんしなくても大丈夫です。ぜひ自分がラクになる方法を選んでください。

 

『PHPスペシャル』11月号より

 


 

 

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本記事は、PHPスペシャル2018年11月号特集「疲れがすっきり! 心と体の休ませ方」より、一部を抜粋編集したものです。 (取材・文:編集部)

 

【著者】

塚田訓子(つかだ・くにこ) 産婦人科医。アトラスレディースクリニック(東京・高円寺)院長。「婦人科は女性の一生をサポートし、健康な毎日のお手伝いをするところ」https://family.php.co.jp/pf01.jpgをモットーに診療を行なう。