落ち込んでいるとき、ほんの小さなことで、人の心はいくらでも元気になれます。

 

女性

 

自分を否定すると感情の起伏が激しくなる

 

私は35歳まで、躁うつ病やパニック障害、強迫性障害、不安神経症などに悩まされ、家から一歩も出られない生活を送っていました。

今思えば、苦しみながらも前を向いて生きていこうとしていたのに、とにかく自分を否定し続けていました。「どうせ私なんてダメだ」と自分を罰したり、少しでも批判的な目を向けられるとすぐに落ち込んだり、感情の起伏が激しくて八つ当たりをしたりともがいていました。

 

少しくらいうまくいかなくても大丈夫

 

自他からの否定は、人の心から元気を奪います。特に、自分で自分を否定する行為は、瞬時に気力を枯渇させるどころか、元気を出そうとする心の動きさえも邪魔してしまいます。

元気を出したくても出せない当時の私に欠けていたのは、まさに自分を肯定する力でした。「元気を出せない自分はダメだ」と自己否定をするばかりで、「思うように元気を出せなくてもいいじゃないか」と自分をなぐさめたり、「少しくらいうまくいかなくても大丈夫」と自分を励ましたりすることをしていなかったのです。

 

元気な日もあれば、落ち込む日もあるのが人間です

 

もし、あなたが今、元気を出せなくて苦しんでいるのなら、まずは「元気を出せない自分はダメだ」と否定することをやめてください。元気がある日もあれば、元気がない日もあるのが人間です。今日は元気に活躍しているあの人だって、昨日は落ち込んでいたのかもしれません。今日はどん底にいるあなただって、明日はハツラツと街を歩いているかもしれません。ちょっと天気が悪いだけで元気がなくなることもあるように、コントロールにコツがいるのが元気というものです。

 

元気がない自分も認めてあげよう

 

大切なのは、「元気が出ないときがあってもいい」「落ち込んでしまう日があってもいい」と自分にささやいてあげること。そして、元気を取り戻す基礎体力をつけておくことです。元気もやる気も、出したいときに出せるようになるには練習が必要です。練習と言っても難しいことは必要ありません。

空を見上げる、やさしく自分の体をなでる、「大丈夫、大丈夫」と胸を張ってつぶやいてみる、その場で足踏みをしてみる、散歩をしてみる、室内にいるなら空気を吸いに外に出てみる。そんな小さなことでいいのです。

落ち込んだとき、小さな変化をいかにつくるか。その行動の積み重ねが、元気の基礎体力を作り上げていきます。

 

『PHPスペシャル』12月号より

 

 


 

スペシャル

 

本記事は、PHPスペシャル2018年12月号特集「心が元気になるヒント」より、一部を抜粋編集したものです。

 

【著者紹介】

 

中島 輝(なかしま・てる)

心理カウンセラー。統合失調症やパニック障害など多数の困難を乗り越え、その経験をきっかけに独学で心理学やセラピーを学ぶ。著書に『エマソン 自分を信じ抜く100の言葉』(朝日新聞出版)、『大丈夫。そのつらい日々も光になる。』(PHP研究所)などがある。